ふたばのブログ〜理科教育と道徳教育を科学する〜

水の状態変化を科学する①「思考力を高める試験管とろうとの実験」

time 2017/05/26

1年生、物質の三態の単元で使える思考力が試される実験です。

思考力を高める実験。試験管と漏斗はどうなる?



実験方法

試験管にゴム栓をつけたろうとを取り付けます。



試験管に取り付けて、ビーカーの中に水を満たした状態で逆さにします。この状態でガスバーナーでビーカの下を熱するとどのような現象が起こるでしょうか?

水の状態変化を科学する

論理的な思考力を試される問題ですね。液体中の熱の伝わり方(過去記事へリンク)、水と水蒸気の性質などがきちんと理解できないと予測できません。
「水が沸騰して、上昇して試験管に水蒸気が溜まって・・・」
うーん、難しいです。この実験前の思考時間が一番脳が活性化している時間だと思います。子どもにやらせる時もこの「思考時間」をしっかりとってあげてください。個人思考→集団思考と段階を踏むとさらに、学びが深まります。
自分なりの予測を立ててから読み進めてください。

実験開始



加熱し始めるとビーカーの外側が白く曇ってきました。水滴です。


加熱を続けると小さな気泡が上がってきます。これは水に溶けていた塩素などの不純物が気化したものです。


あわが大きくなってきました。ここから本格的に状態変化が始まります。

ビーカーの水が沸騰しました。すごい勢いで水蒸気がろうと内に発生しています。発生した水蒸気は真上に上がりろうとの中に溜まりそうです。しかし、一向に試験管に水蒸気はたまりません。試験管内は温度が低く、水蒸気が一瞬で水に戻るんですね。面白いのはここからです。
さらに加熱を続けると、不思議をなことにビーカーの水位が一定の間隔で「ポコポコ」と音を立てて上下運動を繰り返すのです。
・・・なぜ?理由を考えていきます。

上下運動をする理由

初めは試験管内の水の温度が低く、いくら水蒸気を送ってもすぐに水に戻されていました。加熱を続けると少しずつ試験管内の温度が上がります。
温度の上がり方はこちらの記事をご覧ください。

液体の温まり方を視覚化

水温は上から上昇するため試験管の先の温度から上がっていきます。すると試験管に少しずつ水蒸気が溜まっていきます。しかし、試験管上部は空気で冷やされ続けます。そのため、水蒸気が水になり、体積が急激に減ることで水を吸い込み水位が下がるのです。
水が暖められ水蒸気になり、冷やされて水に戻るという反応が連鎖的に起こっているんですね。おもしろい実験です。中1の既習事項だけで結果が予測できるのもいいですね。面白い実験なのでぜひ授業でやってみてください。

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自己紹介

ふたば

ふたば

1986年生まれ、三十路超え 近畿大学農学部卒業、理科コア・サイエンス・ティーチャー(CST)養成過程修了、家庭教師、個別指導、塾講師を経て、神奈川県で5年間中学校理科教師として勤務。現在は大阪で理科の楽しさを子どもたちに伝えるため日々奮闘中。 教材や教具の開発、効果的なICT機器の活用方法、カードゲームや問題解決を通してのコミュニケーション能力の育成など自らの実践に基づいた教育活動を展開中。 ゆくゆくはこのブログの内容を本にしてまとめられたらと考えています。記事執筆、講演依頼、書籍化についてはお問い合わせフォームからお願いします。

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子どもの理科離れが問題になっています。しかし、実験を中心とした塾が人気を集め、本屋では科学図鑑が売れているようです。大人も子どもも本当は理科が大好きなんだと思います。では、なぜ理科離れが起こるのか?学校や塾の授業が理科の楽しさを十分に伝えられていないからではないでしょうか。このブログでは学校や塾の理科の授業を楽しくするための情報を書いていきます。教材や教具、面白い実験、ICT機器の活用法、授業で使える動画、教育書の紹介の他、道徳やコミュニケーションゲームなど子どもが人として成長していくための情報も書いていきます。このブログが子どもたちに理科の楽しさを伝えるため、そして子どもたちが明るい未来を作っていくために少しでも役立ってくれたら嬉しいです。

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