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三つ葉(カタバミ、シロツメクサ)でできる光合成の実験

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1年生、植物の光合成の単元で使える実験ネタです。教科書では斑入りの葉を使って光合成に葉緑体と光が必要だと示す実験が載っています。しかし、斑入りの葉を用意するのは難しく(めんどくさく?)、実験に二の足を踏んでしまう先生もいるのではないでしょうか?今回ご紹介する三つ葉(カタバミやシロツメクサ)を使った実験は、斑入りの葉に比べて手に入りやすく、しかも結果が分かりやすいのでオススメです。

三つ葉で光合成の実験

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葉緑体については調べられませんが、葉緑体についてはオオカナダモで原形質流動まで綺麗に観察できるので、そちらで観察させました。

動画はさらに感動しますよ。

オオカナダモの原形質流動

実験の方法

①まず、カタバミやシロツメクサの葉にアルミホイルを巻いて、光合成ができないようにします。少なくとも3日間はアルミホイルで光を遮る必要があるようです。注意点としては、雨や風などで取れても大丈夫なように多めに作っておくことです。前に、3クラス分作ろうと6班✕3=18プラス予備で20 作っておいたところ5つが風や雨で飛ばされ、結局葉っぱを切って実験しなければならなくなったことがありました(笑)余裕を持って多めに作っておくことをおすすめします。

また、実験で使う葉は昼頃に採取する方が結果が出やすいです。(経験論です)

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②葉を60度のお湯でしゃぶしゃぶした後、エタノールに浸して湯煎をして色を抜きます。これは、後で使うヨウ素溶液の反応を見やすくするためです。湯煎という言葉を知らない生徒が多いのでバレンタインチョコを溶かすときの例を出して説明しました(笑)

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湯煎後のエタノールは緑色になります↓

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③水ですすいだ後、色をぬいた葉をヨウ素溶液に浸します。今回はヨードチンキ(昔は赤チンの呼び名で親しまれていました。)を薄めたものを使いました。ヨードチンキが家にあるのは学年で一人でした。一人いた事に逆に驚きました(笑)

↑脱色したカタバミ

5分ほど染色すると・・・


ジャーン!アルミホイルを巻いて光を遮った葉だけが染色されませんでした。

比較すると歴然ですね。光合成ができず、デンプンを作れなかったことがわかります。光合成には光が必要なことがわかりました。めでたしめでたし。

↑水の中に入れると青紫になっていることがわかりやすいです。

斑入りの葉ならコリウスがおすすめ

とはいえ、斑入りの葉を使うのが本来です。しかし、こちらのほうが実験も簡単なので葉が用意できないときの代替実験としてやってみてください。 ちなみに斑入りの葉を使うときは柔らかくてヨウ素液に染まりやすいのでコリウスの葉がお勧めです。

コリウスは白い斑入りのものと赤い斑入りのものがあります。白い班の部分は光合成が行われていませんが、赤い班の部分は光合成を行っているので実験で使う際は注意が必要です。

写真のように赤と白の班があるコリウスではどのようになるんでしょうね?試したら面白いと思いました。

ということで今回は光合成の実験の紹介でした。

クズの葉で光合成の実験

追記です。クズを使うと光合成の実験がとても簡単にできるということを教えてもらいました。私はやったことがないですが、植物を専門とする先生の言葉だったので信用できます。今度光合成の実験を行う際はクズを使ってみたいと思いました。

↓クズの葉、大きいので演示実験で使うのにもいいなぁと感じました。

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自己紹介(PROFILE)

窪田 一志

窪田 一志

1986年生まれ、近畿大学農学部卒業、学びエイド認定鉄人講師、理科コア・サイエンス・ティーチャー(CST)養成課程修了、MIE(Microsoft Innovative Educator 2022)取得、Apple Teacher
家庭教師、個別指導、塾講師を経て、神奈川県で5年間中学校理科教師として勤務。現在は大阪府の公立中学校で理科の楽しさを子どもたちに伝えるため日々奮闘中。
教材や教具、デジタル教材の開発、効果的なICT機器の活用方法、カードゲームや問題解決を通してのコミュニケーション能力の育成など自らの実践に基づいた教育活動を展開中。
ブログのアクセス数は月10万pvを超え、中学理科の授業情報をまとめた書籍「100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100」を明治図書から出版。また、ブログがアプリ化されるなど勢いのある教育研究者 兼 教育実践者。
先生向け情報サイト「ふたばのブログ」の他、反転学習や、家庭学習に利用できるオンライン学習サイト「ふたば塾」、中学理科の授業動画を中心としたYoutubeチャンネル「ふたば塾」を運営。
記事執筆、研修・講演依頼、書籍化についてはお問い合わせフォームからお願いします。

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100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100[明治図書出版]





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