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蓼藍の色素で染色(藍染)(酸化還元反応で染める)

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またまた染色ネタです。

「青は藍よりいでて藍より青し」

今回は、弟子が師匠の学識や技術を越えるということわざにもなっている藍染について書いていきます。ジーパンを染める方法としても有名ですね。

蓼藍(たであい)の色素で染色(藍染)

藍染をしました。上の写真は乾燥した蓼藍の葉です。普通、乾燥した植物の葉は葉緑体の色が抜けて薄い茶色になります。蓼藍はインディゴ(インジゴ)という色素を持つので乾燥しても深い緑色です。
このインディゴの色素は乾燥すると酸化して水に溶けなくなります。


生葉は酸化していないため直接叩いて染色することができます。乾燥した蓼藍で染色するには還元剤をつかう必要があります。
〈染色に必要な薬品〉
炭酸ナトリウム(アルカリ性にして色素を抽出しやすくする)
ハイドロサルファイトNa2S2O4(還元剤)
ハイドロサルファイト20g(左)
炭酸ナトリウム10g(右)
〈実験方法〉
乾燥した蓼藍の葉100gを水で煮込みます。煮込み汁は染色には使わないので捨てます。一度煮汁を捨てた葉をハイドロサルファイト20g、炭酸ナトリウム10g、水1リットルの水溶液で煮込みます。
還元剤を入れることで色素のインディゴを取り出すことができます。この作業を3回繰り返します。
2回目以降は水の代わりに前回染色したときの染色液を使いました。(染色液を濃くするため)
青紫色の染色液がとれました。
ここに染色したいものを入れます。色むらをなくすために棒で押し沈めます。
一時間半ほど染色液に浸したら染色液から出します。この時点では緑色です。
水で洗って
炭酸ナトリウムでアルカリ性になっているので、2〜 3%の酢酸溶液(食酢を2倍に希釈したもの)で中和します。
酢酸溶液に浸すと緑色の布が青く変色していきます。
再度水洗いしてから乾かします。酸化することで色が定着します。藍染は酸化還元反応で染めていたんですね。化学の力でかっこいいTシャツができました。
おしゃれさんになれそうです。
染め方や染色回数を変えると色を変えることができます。化学が生活で使われていることがわかりました。

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自己紹介(PROFILE)

窪田 一志

窪田 一志

1986年生まれ、近畿大学農学部卒業、学びエイド認定鉄人講師、理科コア・サイエンス・ティーチャー(CST)養成課程修了、MIE(Microsoft Innovative Educator 2022)取得、Apple Teacher
家庭教師、個別指導、塾講師を経て、神奈川県で5年間中学校理科教師として勤務。現在は大阪府の公立中学校で理科の楽しさを子どもたちに伝えるため日々奮闘中。
教材や教具、デジタル教材の開発、効果的なICT機器の活用方法、カードゲームや問題解決を通してのコミュニケーション能力の育成など自らの実践に基づいた教育活動を展開中。
ブログのアクセス数は月10万pvを超え、中学理科の授業情報をまとめた書籍「100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100」を明治図書から出版。また、ブログがアプリ化されるなど勢いのある教育研究者 兼 教育実践者。
先生向け情報サイト「ふたばのブログ」の他、反転学習や、家庭学習に利用できるオンライン学習サイト「ふたば塾」、中学理科の授業動画を中心としたYoutubeチャンネル「ふたば塾」を運営。
記事執筆、研修・講演依頼、書籍化についてはお問い合わせフォームからお願いします。

【著書】


100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100[明治図書出版]





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