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放射線の小話「火星移住計画進行中、人類が火星に降り立つために必要なこと」

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福島県の原子力発電所の事故を受けて「放射線」という言葉が一躍注目を集めました。私の前任校では放射線の追加教材が送られてきました。内容は、

「放射線は確かに危険だが日常的に存在しており医療などでも利用されている」
と教えましょうというものでした。とってつけたような内容に違和感を覚えたのを覚えています。(実際とってつけたんですけどね(笑))

放射線について

放射線はとってつけたということで前後の単元と繋がりがうすく教えにくい内容だと思います。今回は放射線を教える時に使える小話の紹介です。

火星移住計画

と聞くと生徒は興味を持つと思います。
実際、火星には二酸化炭素と氷があり、現実的に火星のテラフォーミング(他の惑星を第二の地球に改造すること)の方法も考えられています。
↑火星のテラフォーミングのシミュレーションした画像(Wikipediaより抜粋)
 
しかし、移住うんぬんの前に、火星は今だ人類が足を踏み入れたことのない未知の惑星です。
「月は行けるのになぜ火星にはいけないの?」
生徒はそんな疑問を持つと思います。人類が火星に降り立つためには、乗り越えなくてはいけない大きな2つの壁があるのです。
一つ目が、宇宙船の速度です。まず、火星までむちゃんこ遠いです。月と比べると分かりやすいです。月までの距離は38万km・・・これでも十分遠いですね。では火星は・・・なんと
6000万km以上です。いくらロケットが速くてもこれでは、時間が
かかります。今の技術では行くだけで半年以上かかるそうです。そうなると宇宙飛行士が半年間(往路のみで)安全に生活できる環境が必要になります。食料や水などの問題点もあります。無事着陸できたとしても、火星でどうやって暮らしましょう?※また、どうやって地球に戻りましょう?問題点は山住みです。
※これについては映画「オデッセイ」を見た方が分かりやすく面白そうですね。わたしもまだ見ていません。見たいなぁ( o➖▽➖o)
そして二つ目の理由が放射線」です。
放射線はシーベルトという単位で計測されますが2013年の5月に発表された結果によると、宇宙飛行士は火星への往復でおよそ2/3シーベルトの放射線を浴びることになるそうです。地球で普通に生活していて浴びる放射線量は毎年1/1000シーベルトほど。地球でいうと600年分です。
全米癌研究所によれば12カ月から16カ月の宇宙旅行に出た宇宙飛行士の癌で命を落とす確率は21パーセントから24パーセントとのこと。・・・ヤバすぎる。この二つの問題をクリアしないことには火星には行けないのです。これじゃ当分火星に行くのは無理だと思ったあなた!人類を甘くみないでください。なんとNASAは火星への有人飛行の目標を「2030年」としているのです。これって結構すぐですよ。生きてる間に火星に人が足跡を残す日がくるかもしれませんね。楽しみです。
 
※追記です。NASAが主催する火星の家のデザインコンペで日本の建築家が1位をとったそうです。気になるデザインがこちら↓
この家、放射線から人を守るために氷でできているそうです。考えられていますね。宇宙を考える時、放射線を忘れてはいけないのということがよくわかりました。

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自己紹介(PROFILE)

窪田 一志

窪田 一志

1986年生まれ、近畿大学農学部卒業、学びエイド認定鉄人講師、理科コア・サイエンス・ティーチャー(CST)養成課程修了、MIE(Microsoft Innovative Educator 2022)取得、Apple Teacher
家庭教師、個別指導、塾講師を経て、神奈川県で5年間中学校理科教師として勤務。現在は大阪府の公立中学校で理科の楽しさを子どもたちに伝えるため日々奮闘中。
教材や教具、デジタル教材の開発、効果的なICT機器の活用方法、カードゲームや問題解決を通してのコミュニケーション能力の育成など自らの実践に基づいた教育活動を展開中。
ブログのアクセス数は月10万pvを超え、中学理科の授業情報をまとめた書籍「100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100」を明治図書から出版。また、ブログがアプリ化されるなど勢いのある教育研究者 兼 教育実践者。
先生向け情報サイト「ふたばのブログ」の他、反転学習や、家庭学習に利用できるオンライン学習サイト「ふたば塾」、中学理科の授業動画を中心としたYoutubeチャンネル「ふたば塾」を運営。
記事執筆、研修・講演依頼、書籍化についてはお問い合わせフォームからお願いします。

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