一万年堂出版さんから発売されている教育書「子育てハッピーアドバイス」をご存知でしょうか?
子育てハッピーアドバイス
医者であり、スクールカウンセラーである明橋大二先生が「子育て」について書いた本です。太田知子さんの優しい温かみのあるイラストが華を添えます。4コマ漫画やイラストを使って説明されているので、教育書にありがちな堅苦しさはなく、読みやすい本に仕上がっています。教員や保育士など教育に携わる人だけでなく、保護者にこそ読んでもらいたい本です。
子育てハッピーアドバイスには様々なシリーズがあります。上の写真は基本シリーズで、幼児から10歳以下のお子さんを持たれている親のために書かれています。
1巻の目次の一部を抜粋します。
- 子どもの話をしている時間より、自分の話をしている時間のほうが長くなってはいけない
- 「がんばれ」より、「がんばってるね」と認めるほうがいい
- 甘えない人が自立するのではなく、甘えていいときにじゅうぶん甘えた人が自立するのです
- 「甘やかす」と「甘えさせる」はどう違うのか
教育の核心をつく内容ばかりです。このような内容を太田和子さんの優しいイラストによる4コマ漫画などでわかりやすく示されているので、読み手の心の中に「スッ」と入ってきます。本当に素晴らしい教育書です。
子育てハッピーアドバイスのその他のシリーズ
子育てハッピーアドバイスには様々なシリーズがあります。こちらは、小さい子どもの様々な病気についてまとめられている小児科の巻シリーズ。
こちらは、子どもや妻にに対して父親がどのように接すれば幸せな家庭を気づく事ができるのかをまとめた「忙しいパパのための子育てハッピーアドバイス」と子育ての常識が変わっていく中、育児法やよりよい嫁姑関係を作っていく情報などがまとめられた「ようこそ初孫の巻」です。これらのシリーズを読んで感じることは、子どもの育て方について多くの方が不安や問題をもたれているということです。核家族化や家庭環境の変化により、夫婦だけ(女性だけに負担がいく家庭も多い)や一人での子育て(孤育て)が問題化しています。昔のように二世帯住宅で相談しながら試行錯誤しながら子育てを行う場面は減りました。祖父母は昔のやり方をいい、夫婦はインターネットで(正しいかどうかもわからない)最新の育児法を調べる・・・「親はなくても子は育つ」という時代から大きく変わってきているのです。
他にも「0〜3歳」「3〜6歳」「妊娠・出産・赤ちゃん」「食育」など様々なシリーズが出ています。素晴らしい本ばかりなので気になるものを読んでみてください。
小中学校の先生に読んでもらいたい子育てハッピーアドバイス
中学校や小学校高学年の先生に読んでもらいたいのがこちらの「10代からの子育てハッピーアドバイス」です。
いじめ、自殺、不登校、ひきこもり、非行などの問題が深刻化するのは10代からではないでしょうか。小学校や高校も大変だけど「中学校の先生は特に大変ですね」と言われますが、それは10代が思春期という心も身体も大きく変化する年齢だからだと思います。この本には明橋先生が考える10代の子どもに接する10カ条が載せられています。下に抜粋します。
10代の子どもに接する10カ条
- 子どもを大人の力で変えようという思いは捨てて、肩の力を抜こう。
- 「どうして○○しないのか」という子どもへの不平不満を捨てよう。
- 今、現にある子どものよさ、子どもなりのがんばりを認めよう。
- 子どもへの、指示、命令、干渉はやめよう。
- 子どもから、話をしてきたときは、忙しくても、しっかり聞こう。
- 子どもとの約束は守ろう。
- 子どもに本当に悪いことをしたときは、素直に謝ろう。
- 威嚇や暴言、体罰で、子どもを動かそうという思いを捨てよう。
- 本当に心配なことは、きちんと向き合って、しっかり注意しよう。
- 子どもに、なるべく、「ありがとう」と言おう。
素晴らしすぎます♪毎年4月の職員会議で確認したい内容だと思いました。
学級通信に使いたい「大好き!が伝わるほめ方・叱り方シリーズ」
こちらの「大好き!が伝わるほめ方・叱り方」シリーズは、学級通信に使いたい内容がたくさん載せられています。良い例と悪い例が4コマ漫画で並べられているページはわかりやすく、とてもためになります。思春期になると子どもとの関係作りに苦労する保護者が多くなります。親として子どもとの一番の関わりは、「ほめることと叱ること」です。正しくほめて、正しく叱ることが子どもの成長に一番大切です。教師として、保護者に求めることは、「正しいことを正しくほめて、叱るべきときに正しく叱ってもらいたい」ということではないでしょうか?4コマ漫画を始め、この本の内容は保護者会や学級通信などで伝えていきたいと思いました。
子どもの自己評価・自己肯定感の極端な低さ
明橋先生は本の中で一貫して、子どもに心配な症状がでるのは「子どもの自己評価の、極端な低さ」に原因があると述べられています。学校の先生との会話の中で『「かまってちゃん」がたくさんいて困る。』という話題になることがあります。「かまってちゃん」が多いのは明橋先生のおっしゃる自己評価、自己肯定感の低さが原因ではないでしょうか。子どもの問題行動の裏には様々な要因があると考えられますが、「自分には価値がある」と思えることが問題行動を減らす一つの方法だと感じます。
日めくりカレンダーもありました。
職員室に貼ってみてはいかがでしょうか?
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