ふたばのブログ〜理科教育と道徳教育を科学する〜

Home » 道徳・総合的な学習 » 差別について考える授業(部落問題・同和問題)

差別について考える授業(部落問題・同和問題)

calendar

差別は決して許されない人権侵害です。人種差別、性差別、職業差別、障害者差別、病気による差別など多くの差別がいまだに残っているのが現状です。子どもたちが差別のない、誰もが普通に楽しく生活できる社会を作っていくためにも日本の差別の歴史や、差別の心理について伝えていくことが大切です。

しかし、いざ差別について教えようとするといろいろ考えなければいけないことがあります。

  • 生徒が差別を真剣に学べるか
  • 教師の知識は本当に十分か
  • 差別的な言葉を遊びで使ったりはしないか

担当の先生も頭を悩ませているのではないでしょうか?最近は絵本を使って授業を行っている場面をよくみます。

絵本を使った教育

日本の差別について予備知識があれば、このような絵本から感じることは多いです。しかし、子どもたちに「差別について考えよう」と言っていきなりこのような絵本を見せてもどこまで差別について伝わるのか疑問です。様々な意見があると思いますが、ふたばとしては日本の差別について伝えるときは、教科教育のように

  • 日本で差別がどのように生まれたのか
  • どのような差別行為があったのか
  • 差別行為はどのように変容したのか
  • 差別に対してどのような取り組みがなされているのか
  • いまだに差別がなくなっていないこと

をオブラートに包むことなく正しく知識として伝えて行く必要があると思います。

差別について伝える方法

それでは、差別について知識を正しく伝えるためにはどうすればよいのでしょうか。

教師が正しい知識を身につける

まず第一に教師が正しい知識をもつことです。しかし、若い先生が多く知識は十分ではないかもしれません。そんな先生に読んでもらいたい本があります。

解放出版社の「知っていますか?部落問題一問一答」です。この本は、部落問題について疑問に感じそうなことに対して一問一答で簡潔に分かりやすく書かれています。若い先生、部落問題の知識に自信のない先生に読んで頂きたい本です。

差別について書かれた本を活用する

「日本民衆と部落の歴史」と「絵本もうひとつの日本の歴史」です。

「日本民衆と部落の歴史」は、日本で部落問題がどのように生まれ、どのように変容してきたかを見開き2ページで分かりやすくまとめています。中学生に歴史的な事実として部落問題について伝えることができます。

「絵本もうひとつの日本の歴史」は絵本形式で日本の差別の歴史を見ることができます。絵の中には様々な差別の場面が描かれており、子どもたちの考えを深めることができます。

YouTube動画を使う

見極めが必要ですが、YouTubeには授業に使える動画がたくさんあります。

2つ目の動画からは差別によってお墓の場所が分けられたことがわかります。現代社会に差別が残っていることを伝えることができます。

部落問題、同和教育、差別についての授業は一見難しく見えます。しかし、実際はとてもシンプルではないでしょうか。

  • 差別がどのように生まれ、変容し、今も続いていることを伝える
  • 差別は決して許されないことだということを伝える

この2つをきちんと理解させることが教師の仕事だと思います。

絵本での授業を批判したような記事になったかもしれませんが、正しい知識をもった後に絵本を使えば教育効果は高いと思います。

created by Rinker
解放出版社
¥2,200 (2024/11/21 05:13:59時点 Amazon調べ-詳細)
created by Rinker
¥2,200 (2024/11/21 05:14:00時点 Amazon調べ-詳細)

ここに上げた3つの絵本はとても良い本です。正しい知識をつけた後、うまく活用してみてください。

ふたばのブログが本になりました。

授業で使えるデジタル教材が満載!「ふたば塾」

ふたばのブログの姉妹サイト「ふたば塾」では、理科の授業で使えるデジタル教材やプリント教材、授業動画で使ったスライドを無料で公開しています。

▶ ふたば塾はこちらから

▷ デジタル教材はこちらから

▷ 授業プリントはこちらから

▷ 授業動画のスライドはこちらから

予習や復習で使えるYoutubeチャンネル

Youtubeチャンネル「ふたば塾」では、予習や復習で使える授業動画を配信しています。ふたば塾のデジタル教材に対応しているので関連付けて学習できます。ぜひご活用ください。

▶ ふたば塾のチャンネルはこちらから

この記事をシェアする

コメント

コメントはありません。

down コメントを残す




自己紹介(PROFILE)

窪田 一志

窪田 一志

1986年生まれ、近畿大学農学部卒業、学びエイド認定鉄人講師、理科コア・サイエンス・ティーチャー(CST)養成課程修了、MIE(Microsoft Innovative Educator 2022)取得、Apple Teacher
家庭教師、個別指導、塾講師を経て、神奈川県で5年間中学校理科教師として勤務。現在は大阪府の公立中学校で理科の楽しさを子どもたちに伝えるため日々奮闘中。
教材や教具、デジタル教材の開発、効果的なICT機器の活用方法、カードゲームや問題解決を通してのコミュニケーション能力の育成など自らの実践に基づいた教育活動を展開中。
ブログのアクセス数は月10万pvを超え、中学理科の授業情報をまとめた書籍「100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100」を明治図書から出版。また、ブログがアプリ化されるなど勢いのある教育研究者 兼 教育実践者。
先生向け情報サイト「ふたばのブログ」の他、反転学習や、家庭学習に利用できるオンライン学習サイト「ふたば塾」、中学理科の授業動画を中心としたYoutubeチャンネル「ふたば塾」を運営。
記事執筆、研修・講演依頼、書籍化についてはお問い合わせフォームからお願いします。

【著書】


100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100[明治図書出版]





授業力&学級経営力2023年12月号(記事執筆)[明治図書出版]


【協力実績】
株式会社 NHKエデュケーショナル
国立科学博物館
株式会社Gakken
日本テレビ「クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?」
株式会社 朝日新聞社 企画事業本部文化事業部
株式会社 高純度化学研究所
株式会社 アスウム
株式会社 学映システム
株式会社リバネス(教育応援VOL55)
株式会社ジヤトコ
株式会社CODEGYM
富山県教育委員会「とやま科学オリンピック」
東京学芸大学 理科教育学分野
高知大学教育学部附属小学校
横須賀市立浦賀中学校
田尻町立中学校
順不同

Apple Teacher



MIE(Microsoft Innovative Educator)