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VR(バーチャルリアリティ)を特別支援教育、院内学校、不登校支援に活かす

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VR(仮想現実)とはVRゴーグルを装着し、VRゴーグル内のモーションセンサーのついたスマホやタブレットなどの映像を見ることで、室内にいながら、まるでその世界にいるような気持ちになれる装置のことです。今回はそんなVRの教育への利用について書きたいと思います。VRについては以前にも何回か記事にしました。

VRについての過去記事

未来を感じるカードボードとVRと360°動画

生徒に見せたい動画「地震・津波発生疑似体験」

子どもに見せたい動画84「チェルノブイリのVRツアー」

Googleのストリートビューで国際宇宙ステーション(ISS)を体験する

最近ではyoutubeでも「VR」や「360°」と検索すると様々なVR動画がでてきます。VRを見るために必要なカードボードも100均で売られているので、誰でも簡単にVRを楽しむことができます。今回はそんなVRを特別支援教育や院内学級、不登校の生徒に対してどのような成果をもたらしているのかをまとめてみました。

VRで動物園を擬似体験

この動画は横浜にある特別支援学校でよこはま動物園ズーラシアの飼育員さんによる出張授業の中で動物園のVR動画を見せたものです。横浜市立大学付属市民総合医療センターの院内学級とも中継でつなぎ、たくさんの子どもたちが動物園を楽しむ事ができました。VRの素晴らしいところは実際に外に出るのが難しい病気の子どもたちなども簡単に外の世界を仮想とは言え体験させることができるところにあります。動画はズーラシアと朝日新聞社が協力して作られ、トラやゾウなど人気の動物のVR動画が披露されたそうです。授業後、子どもたちが再度VR動画を楽しめるようにゴーグルと映像の情報が載せられたサイトのQRコードが配られました。ちなみに、横浜・八景島シーパラダイスとも協力しVR水族館の出張授業も行われているそうです。

VRという「科学の力」が子どもたちの笑顔のために使われているとても良い例だと思います。VRは予め録画した映像だけでなく、リアルタイムで映像を送ることもできます。教室に360°カメラを置くことでリアルタイムで院内学級にいながら授業を受けることさえできてしまうのです。下の動画は実際に国語の授業風景を移したVR動画です。

[VR]国語の授業風景

どうでしょう?VRは空間を切り取ることができるのです。様々な可能性を感じませんか。核家族化が進み、孤独死が問題視されています。面と向かったコミュニケーションとネットでのコミュニケーションの間を埋めるものとしてVRは進化していくかもしれないと感じました。

「いらすとや」にVRを使って海外の人同士が楽しく食事をしているイラストがありました。

いらすとやの画像へのリンクはこちら

10年後は、こんな食事が当たり前の時代になっていくのかもしれませんね。

VRと不登校

VRは、特別支援教育や院内学級だけでなく、不登校の生徒に対しても効果があると思います。N高等学校(学校法人角川ドワンゴ学園)では、実際にVRを使った入学式を開催し話題となりました。入学式のVR映像はYou Tubeにも載せられています。

平成30年度N高等学校VR入学式

時代の流れや、テクノロジーの未来を感じます。「10年後の社会は予測不能」と言われますが、本当に予測不能ですね。N高校では、新入生全員にVRゴーグルを配付し、各生徒が自宅や好きな場所から、360°VR生中継される入学式に参加することができます。N高校はVR入学式の他にもニコニコ生放送を使った入学式等、様々な先進的な取り組みをしています。賛否両論あると思いますが、「こんな高校もある」という一つの情報として知っておくのも大切ではないでしょうか。

N高校について詳しく知りたい方ははホームページを見てみてください。(↓画像をクリック)

出典:N高等学校ホームページ

VRで旅行?

こちらは、VRを使って院内学級の児童生徒に旅行をしてもらおうというジョリーグッドという会社による「ボーンスマイル・プロジェクト」の映像です。このプロジェクトで院外学級の子どもたちは、和歌山県のテーマパーク「アドベンチャーワールド」(以前記事にしました♪)やハワイ、ブリの養殖、ラジオスタジオ、北海道のバルーンフェスティバルなど様々な旅行を楽しんだそうです。普段病棟から出られない子どもが楽しむことができ、「退院したらこんなところに行きたい!」と生きる希望を持ってもらえることが素晴らしいと思います。VRを

「所詮仮想でしょ」

「コミュニケーションは実際に会わないと意味がない」

などと一蹴するのは簡単ですが、テクノロジーは本来人を幸せにするために生まれてくるものです。大切なのは使い方。うまくVRを使ってもらいたいと思いました。

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和歌山アドベンチャーワールドの記事はこちらから

和歌山県白浜アドベンチャーワールドに行ってきました①パンダ編

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自己紹介(PROFILE)

窪田 一志

窪田 一志

1986年生まれ、近畿大学農学部卒業、学びエイド認定鉄人講師、理科コア・サイエンス・ティーチャー(CST)養成課程修了、MIE(Microsoft Innovative Educator 2022)取得、Apple Teacher
家庭教師、個別指導、塾講師を経て、神奈川県で5年間中学校理科教師として勤務。現在は大阪府の公立中学校で理科の楽しさを子どもたちに伝えるため日々奮闘中。
教材や教具、デジタル教材の開発、効果的なICT機器の活用方法、カードゲームや問題解決を通してのコミュニケーション能力の育成など自らの実践に基づいた教育活動を展開中。
ブログのアクセス数は月10万pvを超え、中学理科の授業情報をまとめた書籍「100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100」を明治図書から出版。また、ブログがアプリ化されるなど勢いのある教育研究者 兼 教育実践者。
先生向け情報サイト「ふたばのブログ」の他、反転学習や、家庭学習に利用できるオンライン学習サイト「ふたば塾」、中学理科の授業動画を中心としたYoutubeチャンネル「ふたば塾」を運営。
記事執筆、研修・講演依頼、書籍化についてはお問い合わせフォームからお願いします。

【著書】


100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100[明治図書出版]





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