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塩の劈開で立方体をつくる実験

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塩化ナトリウムの劈開を調べる実験を行いました。

塩化ナトリウム(NaCl)を割るとどうなる?

用意するものは岩塩です。
今回は10センチ程度の岩塩をつかいました。
この岩塩にアイスピッ クとハンマーで 力を加えると・・・
パカッ!
綺麗に真っ二つに割れました。・・・なぜこんなことが起こるのでしょうか。
ここで塩化ナトリウムにおける劈開について解説したいと思います。
劈開とは、鉱物の割れ方のことです。岩塩は塩化ナトリウムでできていますが、この塩化ナトリウムは完全劈開という特徴的な割れ方をします。原子構造で考えていきます。
↑塩化ナトリウムの原子モデルです。黄色いのが塩素原子、赤いのがナトリウム原子です。塩素原子とナトリウム原子が綺麗に交互に並んでいるのがわかります。塩化ナトリウムは、電気的にマイナスの性質を持つ塩素原子とプラスの性質をイオン結合することでできています。力を加えるとこの構造が壊れます。
↑写真では左から右に力を加えた状態を表しています。原子が右側にずれて、塩素原子とナトリウム原子が並んでしまいました。この後、どんな力がはたらくのでしょうか?
電気的にマイナスの塩素原子とプラスのナトリウム原子が並ぶことで、反発する力がはたらくことになります。上の写真の緑の矢印は、塩素原子がマイナスの電気を持つことでお互いに反発しようとする力を、オレンジ色の矢印は、ナトリウム原子がプラスの電気を持つことでお互いに反発しようとするちからを表しています。
面白いですね。割れ方をみるだけで原子構造まで関係するってなんかすごいと感じました。
実習では、岩塩の劈開の性質をつかって、立方体を作りました。
↑なかなか思ったようにはいかないです。細い割れ目を入れるにはカッターをあてて、ハンマーで叩くとよいようです。
↑これがふたばの努力の結晶です(文字通り(笑))
ハンマーとアイスピックさえあればできるので学校でやってもいいですね。岩塩を買うお金とアイスピックを渡して大丈夫な環境かどうか・・・2つの高いハードルを超えられる先生はやってみてくださいね。

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窪田 一志

窪田 一志

1986年生まれ、近畿大学農学部卒業、学びエイド認定鉄人講師、理科コア・サイエンス・ティーチャー(CST)養成課程修了、MIE(Microsoft Innovative Educator 2022)取得、Apple Teacher
家庭教師、個別指導、塾講師を経て、神奈川県で5年間中学校理科教師として勤務。現在は大阪府の公立中学校で理科の楽しさを子どもたちに伝えるため日々奮闘中。
教材や教具、デジタル教材の開発、効果的なICT機器の活用方法、カードゲームや問題解決を通してのコミュニケーション能力の育成など自らの実践に基づいた教育活動を展開中。
ブログのアクセス数は月10万pvを超え、中学理科の授業情報をまとめた書籍「100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100」を明治図書から出版。また、ブログがアプリ化されるなど勢いのある教育研究者 兼 教育実践者。
先生向け情報サイト「ふたばのブログ」の他、反転学習や、家庭学習に利用できるオンライン学習サイト「ふたば塾」、中学理科の授業動画を中心としたYoutubeチャンネル「ふたば塾」を運営。
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