ふたばのブログ〜理科教育と道徳教育を科学する〜

氷に塩をかけると0度以下に冷える理由

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手作りアイスクリームを作る器具に、氷に塩をかけて冷やすものがあります。氷に塩をかけると氷の温度が0度より下がるためです。ここまでは誰もが知っている知識(生徒は知らないかもしれません)です。では、「なぜ氷に塩をかけると温度が下がるか?」その理由を説明できる人は少ないように思います。

氷に塩をかけるとなぜ冷えるのか?

     

私自身生徒にうまく説明ができず、恥ずかしい思いをしました。今回は氷に塩をかけると温度が下がる理由について書きたいと思います。

融解熱と溶解熱

まず、なぜ氷は周囲の温度を下げるのかを考えます。氷を水の中に入れると水の温度が下がります。この時忘れてはいけないのは「氷は溶けている」ということです。

「溶けない氷があったら欲しいか?」
という発問をします。
みな
「欲しい!」
「ノーベル賞だ!」
「売ったら大金持ち♩」
などと応えてくれます。
そこで一言
「でも、この氷冷たくないねん•••」
するとみなぽかんとしてこちらを見ています。そして、なぜ溶けない氷は冷たくないのかを説明していきます。みな顔を上げて真剣に聞いています。
氷が溶けると、1年生で習う状態変化が起こります。学校では深く教えませんが、氷(固体)と水(液体)では水の方がエネルギー量が高い状態だと言えます。つまり、氷が水になるときにエネルギーを必要とするのです。氷は水素原子2個と酸素原子1個で構成された水分子が周囲の水分子と強固に結びついたものです。水分子同士の結びつきが強固なので氷は水のように自由な形にならないのです。液体の水の場合は、水分子同士の結びつきが少し弱くなります。ですから、どんな複雑な形をした容器でも満たすことができます。自由に動けるということはエネルギー量が多いということになります。このように、固体の氷から液体の水になるとき周囲からエネルギーを奪うので周囲の温度が下がるのです。このときの熱量を
融解熱と言います。
では、塩の役目は何でしょうか?

氷に塩をかけると、融けていた水に塩が溶けます。塩が水に溶けるというのは、塩を構成している塩素とナトリウムの結び付きが切れて、塩素がマイナスの電気を帯び、ナトリウムがプラスの電気帯びてイオン化してその周囲に水分子を電気的に結合させて安定することです。このとき、エネルギーを必要とするので周囲から熱エネルギーを奪います。そのため、周囲の温度が下がるのです。

逆に熱を放出する物質があります。このように溶質が溶媒に溶けるとき出入りする熱を
溶解熱と言います。

わかりやすい例が砂糖です。砂糖水を作るときより多くの砂糖を溶かすためにはどうすればよいか?これは生徒もよく知っています。答えは加熱するです。加熱すると、より多くの砂糖が溶けるのは溶解熱を外部から与えているからです。

もうひとつ大切なポイントが、塩水を凍らせるには、水分子から塩素やナトリウムのイオンを離さなければなりません。そのためエネルギーが必要となり0度では凍らないということです。まとめると、

氷に塩をかけて放置すると

状態変化によって周囲から熱を奪う融解熱と塩が水に溶けるときに周囲から熱を奪う溶解熱によって周囲から熱を奪われて温度が下がる。温度が下がり、0度になっても、塩水のために周囲の水が再び凍ることがなく反応が止まることがなく温度が下がりつづけるのです。

質量比で氷の3分の1の塩を振り掛けると、➖20度まで温度が下がるそうです。
 

思考力を育む追発問

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出典:カガクの時間

水そうの中に、水を入れたコップAと、濃い食塩水を入れたコップBを入れて、水そうにラップをかけます。水も食塩水も、コップの半分ぐらいの量にします。そして、毎日観察をします。コップの水はどうなるでしょうか?

(解答)

塩は水を吸う性質があります。コップAから水が蒸発した水はどこへ行くのでしょうか??クラスに置いてぜひ観察してみて下さい。

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