音の実験小ネタ集②です。今回は教科書に載っていた。「トレイギター」「ビーカードラム」「試験管笛」の実験を紹介します。
「啓林館:未来へ広がるサイエンス1 マイノートより抜粋」
本来はお刺身などが載せられているトレーで実験をさせるようなのですが、壊れやすいかなぁと思って理科室にある実験用のトレーで実験をさせました。
↑実験器具を配布する際につかうトレー
↑輪ゴムは細いやつと太いやつの2種類用意しました。
トレーに輪ゴムをはめます。ギターと名前が付いているせいか縦(写真でいうと左右)の向きで輪ゴムをはめようとしている生徒がいましたが・・・とても苦労していました(笑)
↑5本の弦をはめた時の様子
結構いい音がなります。
輪ゴムの張り方をキツくすると高い音が、
ゆるめると低い音がなります。
生徒に硬いトレーで一通り実験をさせた後、上のような発泡スチロール製のトレーでも試してみました・・・発泡スチロール製の方が断然いい音がしました(笑)・・・教科書ってよくできていますね。ちゃんと教科書通りでいきましょう。ちなみにギターの弦は、綺麗かなと思ってカラフル輪ゴムにしました。虹みたいでかっこよくないですか?
水を入れたビーカーを叩いて音を出すという実験です。・・・想像通り、子どもはビーカーを割りました・・・しかも真面目な子が・・・ガラスがどの程度で割れるのかわからないんです。手加減を覚えたという意味ではいい勉強です(笑)水をいれると音が低くなっていきます。
↑コップに水を入れてドレミファソラシドを作って演奏すると子どもは大喜びしますよ〜。
音楽の先生にお願いして作ってみました。ただ、ガラスコップによって限界の高さがあるみたいで、このガラスコップでは、ド〜ラまでの音階しか出せませんでした。仕方がないのでカエルの歌を演奏しました(笑)
試験管笛です。試験管に口をつけて息を吹きかけると「ポー」といい音がなります。試験管に水をいれると「ピョー」と音が高くなります。予備実験の際に「音を出すのが難しいなぁ」と思ったのですが、生徒はみんな「ポーポー」とうるさいくらい笛を鳴らしていました。いらない心配でしたね。
実験が終わると下のような表が完成しました。
輪ゴムギター ビーカードラム 試験管笛
音を出す方法 ゴムを弾く ビーカーを叩く 息を吹きかける
音を大きくする方法 強く弾く 強く叩く 強く息を吹きかける
音を高くする方法 弦を強く張る 水を減らす 水を入れる
弦を細くする
弦を短くする
3つの実験をすべて終えた後に生徒に発問をしました。
「この実験結果の表を見てなんか感じることある?」
「不思議やと思わへん?」
生徒は少し考え込んだあと気づきます。
「ビーカードラムは水をいれると音が低くなるのに、試験管笛は音が高くなる!」
実験後には、この2つの違いがなぜ起こるのかを班体制にして考えさせました。
「試験管は口が小さいけど、ビーカーは口が大きい」
という考えが出ました。
私は
「それじゃぁ、試験管とビーカーの中間の口の大きさだとどうなる?」
と意地悪な質問をしました。
「叩くか吹くかの違い」
とほぼ正解の答えをだしている生徒もいました。正解するにせよ不正解にせよ、このような疑問に対して論理的に考えることは科学的な思考力をつける上でとても大切だと感じました。
この仕組みについては「りかちゃんのサブノート」という中学理科 自主学習支援サイト
詳しく載っているのでそちらをご覧ください。
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自己紹介(PROFILE)

窪田 一志
1986年生まれ、近畿大学農学部卒業、理科コア・サイエンス・ティーチャー(CST)養成課程修了
家庭教師、個別指導、塾講師を経て、神奈川県で5年間中学校理科教師として勤務。現在は大阪府の公立中学校で理科の楽しさを子どもたちに伝えるため日々奮闘中。
教材や教具、デジタル教材の開発、効果的なICT機器の活用方法、カードゲームや問題解決を通してのコミュニケーション能力の育成など自らの実践に基づいた教育活動を展開中。
ブログのアクセス数は月7万pvを超え、中学理科の授業情報をまとめた書籍「100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100」を明治図書から出版。また、ブログがアプリ化されるなど勢いのある教育研究者 兼 教育実践者。
先生向け情報サイト「ふたばのブログ」の他、反転学習や、家庭学習に利用できるオンライン学習サイト「ふたば塾」を運営。
記事執筆、研修・講演依頼、書籍化についてはお問い合わせフォームからお願いします。
【著書】
100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100[明治図書出版]
【協力実績】
株式会社 NHKエデュケーショナル
国立科学博物館
株式会社 朝日新聞社 企画事業本部文化事業部
株式会社 高純度化学研究所
株式会社 アスウム
株式会社 学映システム
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横須賀市立浦賀中学校
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