手作りアイスクリームを作る器具に、氷に塩をかけて冷やすものがあります。氷に塩をかけると氷の温度が0度より下がるためです。ここまでは誰もが知っている知識(生徒は知らないかもしれません)です。では、「なぜ氷に塩をかけると温度が下がるか?」その理由を説明できる人は少ないように思います。
氷に塩をかけるとなぜ冷えるのか?
私自身生徒にうまく説明ができず、恥ずかしい思いをしました。今回は氷に塩をかけると温度が下がる理由について書きたいと思います。
融解熱と溶解熱
まず、なぜ氷は周囲の温度を下げるのかを考えます。氷を水の中に入れると水の温度が下がります。この時忘れてはいけないのは「氷は溶けている」ということです。
融解熱と言います。
氷に塩をかけると、融けていた水に塩が溶けます。塩が水に溶けるというのは、塩を構成している塩素とナトリウムの結び付きが切れて、塩素がマイナスの電気を帯び、ナトリウムがプラスの電気帯びてイオン化してその周囲に水分子を電気的に結合させて安定することです。このとき、エネルギーを必要とするので周囲から熱エネルギーを奪います。そのため、周囲の温度が下がるのです。
逆に熱を放出する物質があります。このように溶質が溶媒に溶けるとき出入りする熱を
溶解熱と言います。
わかりやすい例が砂糖です。砂糖水を作るときより多くの砂糖を溶かすためにはどうすればよいか?これは生徒もよく知っています。答えは加熱するです。加熱すると、より多くの砂糖が溶けるのは溶解熱を外部から与えているからです。
氷に塩をかけて放置すると
状態変化によって周囲から熱を奪う融解熱と塩が水に溶けるときに周囲から熱を奪う溶解熱によって周囲から熱を奪われて温度が下がる。温度が下がり、0度になっても、塩水のために周囲の水が再び凍ることがなく反応が止まることがなく温度が下がりつづけるのです。
思考力を育む追発問
出典:カガクの時間
水そうの中に、水を入れたコップAと、濃い食塩水を入れたコップBを入れて、水そうにラップをかけます。水も食塩水も、コップの半分ぐらいの量にします。そして、毎日観察をします。コップの水はどうなるでしょうか?
塩は水を吸う性質があります。コップAから水が蒸発した水はどこへ行くのでしょうか??クラスに置いてぜひ観察してみて下さい。
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