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マイクロスケールでの塩化銅水溶液、硫酸銅水溶液の電気分解実験

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お弁当などに使われるソースの容器で作ったマイクロスケールの電気分解装置を使いました。今回はそんなマイクロスケール実験について書いていきます。

マイクロスケールでの塩化銅水溶液、硫酸銅水溶液の電気分解実験

お弁当用ソース入れでつくった電気分解装置

大きめのソースの容器を切ったものと、小さめのソースの容器の底に穴を開けて炭素棒を差し込むだけです。
近年、少量の薬品で実験を行う、マイクロスケール実験が注目されています。

マイクロスケール実験のメリット

マイクロスケール実験のメリットとして
●危険性が少ない
●廃液が少ない
●実験時間を短縮できる
●環境負荷が少ない
●お金がかからない
などがあります。
今回はこの装置を使って塩化銅水溶液(左)と硫酸銅水溶液(右)の電気分解を行いました。
あらかじめ炭素棒の先を容器の口から1〜2mmほど出しておきます。

①塩化銅水溶液の電気分解

大きい方の容器に1.5cm〜2cmほど溶液を入れます。
小さい方の容器にはピペットで表面張力が起こるまで塩化銅水溶液をいれます。この部分がH字管型試験管の代わりになります。あとは炭素棒を持って
「えいっ!」
表面張力のおかげで溶液がこぼれることはありません。この実験方法を考えた人は凄いです。
実験準備完了。使った溶液の量は試験管6割程度。エコですね〜♩
9Vの電池で電気分解をします。
どんな反応が起こっているのでしょうか?
陽極に気体が発生していることがわかります。
電池を取り外して、容器を取るとプールの消毒液の匂いがします。塩素ですね。
陰極の炭素棒には赤褐色の銅が析出していました。

②硫酸銅水溶液の電気分解

実験方法は塩化銅水溶液と同じです。
慣れたら、1分で完成できます。
電気分解開始。
陽極から気体が発生しました。酸素です。
線香を近づけると微かに「ジジッ」と燃えました。
陰極には銅が析出しました。

③銅の精錬(番外編)

硫酸銅水溶液に銅線を極にして電流を流しました。
今回は気体は発生しませんでした。
電流を3分程度流しました。中で何が起こっているのでしょうか?
陰極に銅が析出しました。陽極の銅線は溶け出しているようです。銅の精錬です。こうやって、不純物を含んだ銅から純粋な銅を取り出すんです。面白いです。余裕があれば子どもにやらせてみてはいかがでしょうか。

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自己紹介(PROFILE)

窪田 一志

窪田 一志

1986年生まれ、近畿大学農学部卒業、学びエイド認定鉄人講師、理科コア・サイエンス・ティーチャー(CST)養成課程修了、MIE(Microsoft Innovative Educator 2022)取得、Apple Teacher
家庭教師、個別指導、塾講師を経て、神奈川県で5年間中学校理科教師として勤務。現在は大阪府の公立中学校で理科の楽しさを子どもたちに伝えるため日々奮闘中。
教材や教具、デジタル教材の開発、効果的なICT機器の活用方法、カードゲームや問題解決を通してのコミュニケーション能力の育成など自らの実践に基づいた教育活動を展開中。
ブログのアクセス数は月10万pvを超え、中学理科の授業情報をまとめた書籍「100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100」を明治図書から出版。また、ブログがアプリ化されるなど勢いのある教育研究者 兼 教育実践者。
先生向け情報サイト「ふたばのブログ」の他、反転学習や、家庭学習に利用できるオンライン学習サイト「ふたば塾」、中学理科の授業動画を中心としたYoutubeチャンネル「ふたば塾」を運営。
記事執筆、研修・講演依頼、書籍化についてはお問い合わせフォームからお願いします。

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