しかし、社会ではまだまだ認知されておらず、対策もされていないのが現状ではないでしょうか。
自閉症の人は、必要な情報と不必要な情報の取捨選択が苦手で、何気ない音でもドキッとしてしまい、時には強い恐怖感と緊張に見舞われることがあるといいます。
特に救急車の音や消防車のサイレン、掃除機の音、怒鳴り声、赤ちゃんの泣き声、犬の吠える声などが苦手とされ、騒音から自分に必要な音だけを聞き分けるのが難しく、大勢の中にいると全員の声が聞こえてしまいパニックに陥る場合もあります。
また、視覚や嗅覚なども敏感で、店や公共スペースでは明るすぎる光や強い臭い、人々の混雑などの過剰な情報によって、圧倒されるような感覚を引き起こすケースもあります。
音のない時間帯をつくったスーパー「ASDAS」
「静かな時間」は今年の5月7日から始まり、毎週土曜日の午前8時から9時までの1時間を予定しているそうです。店内では音楽のボリュームを下げ、エスカレーターも停止し、自閉症の人たちも心地よく買い物を楽しめるようにするそうです。この「時間」を思いついたのは店舗マネージャーのサイモン リーさん。彼も不安症を患っており、以前から人びとが騒いだり音楽が鳴り響いたりするお店に入るのを苦手にしていたそうです。
そんなある日、騒々しいお店で苦しんでいる自閉症の子どもを目撃し、自分の店舗には「静かな時間帯」を導入しようと決断したそうです。
人々の反応を確かめるために導入の予定をフェイスブックで知らせ、アドバイスを求めたところ、約980人にシェアされ圧倒的な支持が得られたそうです。素晴らしいことですね。
周囲の反応
彼のフェイスブックには「なんて素敵なアイディアなの!」や「いけ!Simon」「ファンタスティック」「よくやった!」といった賞賛の声が多く届けられているようです。サイモンさんは英紙The Independent の中で「私はどうしたら自閉症や障害を持つ買い物客を助けられるか話し合いました。快適な買い物のために、私らがわずかに変えられるのなら、お店は皆にとってもよりよい場所になると思います」と語っています。学校だけでなく社会が自閉症や様々なハンデを持つ人たちに優しくある必要があると感じました。
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