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教師に役立つ本「抱かれる子どもはよい子に育つ」

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大学生の頃から今までずっと思っていたこと学校で起こる様々な問題の一つの原因は
「子どもに愛が足りていないのではないか?」この疑問は教師になってより強くなっていきました。この本とはそんな時に出会いました。

抱かれる子どもはよい子に育つ

赤ちゃんにとって、最初に人間関係を築くが母親です。この本には母親が乳児期•幼少期の子どもに与える影響について実例を挙げて説明されています。
特に気になったのがサイレントベビーについてです。

サイレントベビーとは

赤ちゃんは、最も弱い存在です。彼らは泣くことで母親に自分の存在を知らせて抱かれることで安心感を得ます。しかし、泣いても抱かれることなくほっておかれると最後には
「私が泣いても誰も来てくれない」
「泣いても疲れるだけだ」
と抱かれることを諦めてしまうのです。こうなってしまうと、この世の中を諦めてしまい、蛍光灯の光をぼーっと見つめて過ごすようになるそうです。このような状態をサイレントベビーと呼びます。特徴としては、
  • 一見おとなしい
  • 無表情
  • 目が合わない
  • 蛍光灯やテレビなどの光を見つめる
などがあげられます。パッと見はおとなしく手のかからない子と捉えられがちですが大間違い。最初に人間関係を築くべき母親と人間関係を築くことに失敗してしまったのです。その影響は大きく、体が大きくなっても心が育たず、自尊感情が乏しい、非行、自傷行為、薬物に走るなど、様々な問題が生じます。子どもをサイレントベビーにしないためにはどうすればよいのか•••それは

抱きしめること

抱きしめる(ハグ)
これは赤ちゃんも大人も同じ。抱きしめるという行為には
  • 自分は大切にされるべき存在なんだ
  • 私は愛されている
  • 私は幸せになっていいんだ
と思わせる力があります。言葉を話せない赤ちゃんはなおさらですね。
昔は
「いつまでも抱くと抱き癖がつく」
と言っていましたがそれは間違い。小さい頃によく抱きしめられ心が満たされた子どもは心が安定しており、親に依存しないので早く自立することができます。抱きしめると甘やかすは別なのです。
非行を重ねたり、自尊感情が低い、摂食障害、不登校の子どもへの対策として「育て直し療法」や「抱っこ療法」というものがあります。
聞いた話で非行生徒に対して最初は軽く触れら、手を握るなどから始めて最後には抱きしめるところまでいくそうです。
想像してみると、親が抱きしめられたとき、それを素直に受け入れられる子どもは非行には走らないのではないでしょうか?
私は日本にも「ハグ」の文化を取り入れるべきだと考えています。「おはよう」や「行ってきます」「おやすみ」の挨拶とともに軽く相手を抱きしめるハグ。こんなにも気持ちのいい挨拶はないと思います。クラスや学校にもハグを取り入れたいです。エンカウンターの中にはハグをとりいれたものを幾つか見たことがありますが、実際やるとなるとなかなか難しいですね。まずは幼児教育でハグの文化を広めたいです。もし私に子どもが生まれたらハグの文化を教え込もうときめました(笑)
ハグの効果についておもしろい記事を見つけたので下に載せます。
ハグはすごい!科学的に証明されたハグの効果

1、寿命が伸びる

「Psychological Science」に掲載された研究では、誰かを抱きしめたり、触れ合うだけで、彼らの抱えている不安を和らげることが証明されました。抱きしめるだけでストレスや恐怖心も減少させる効果が期待できるそう。これ以外にも、「親密な関係であるかないかに関わらず、ふれ合うだけでも、心を許しその人を深く信頼するようになるのです」と、主任研究員のSander Koole氏は研究の成果を述べています。

2、心拍数を低下させる 

米ノースカロライナ大学で行った実験によると、ハグやセックスなど、パートナーとの接触をしなかった被験者は、頻繁に抱き合っている人たちに比べて、毎分10回も心拍数が速かったことが判明。反対にパートナーと日常的にハグする機会が多いカップルは、心拍数は正常値を示し、さらにゆっくりと脈打つことが判りました。

3、ストレスの原因は幼少期のハグの量 

ジョージア州エモリー大学のラットによる調査のなかで、ふれ合うことでストレスが緩和される減少は密接につながり合っていることが判明、それも幼少期においては、特にその兆しが見られたそうです。研究者らは、これが人間であっても同じ結果になるであろうと、断言します。 もしも、赤ちゃんがたくさん抱きしめられ、ハグされたなら、大人と同じようにストレスが溜まる心配もないそうです。

4、免疫機能を向上させる 

抱き合うことで脳下垂体から分泌される、抱擁ホルモンのオキシトシン。最近の研究では、一般的にこのホルモンは、免疫システムの機能に大きな影響を与えていることが解明されてきました。 これは、私たちの自然なハグからも同様の結びつきが得られます。もしも、あなたがもっと免疫力を高めたいと思うのならば、とにかく誰かと真っ先に抱き合うことです。
今日家に帰ったら、あなたの大切な人を抱きしめてください。

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自己紹介(PROFILE)

窪田 一志

窪田 一志

1986年生まれ、近畿大学農学部卒業、学びエイド認定鉄人講師、理科コア・サイエンス・ティーチャー(CST)養成課程修了、MIE(Microsoft Innovative Educator 2022)取得、Apple Teacher
家庭教師、個別指導、塾講師を経て、神奈川県で5年間中学校理科教師として勤務。現在は大阪府の公立中学校で理科の楽しさを子どもたちに伝えるため日々奮闘中。
教材や教具、デジタル教材の開発、効果的なICT機器の活用方法、カードゲームや問題解決を通してのコミュニケーション能力の育成など自らの実践に基づいた教育活動を展開中。
ブログのアクセス数は月10万pvを超え、中学理科の授業情報をまとめた書籍「100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100」を明治図書から出版。また、ブログがアプリ化されるなど勢いのある教育研究者 兼 教育実践者。
先生向け情報サイト「ふたばのブログ」の他、反転学習や、家庭学習に利用できるオンライン学習サイト「ふたば塾」、中学理科の授業動画を中心としたYoutubeチャンネル「ふたば塾」を運営。
記事執筆、研修・講演依頼、書籍化についてはお問い合わせフォームからお願いします。

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100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100[明治図書出版]





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