ARという言葉をよく聞くようになりました。ふたばは、「VR(Virtual Reality)」について記事にすることが多かったですが、AR(Augmented Reality)については、科学玩具の紹介程度にとどまっていました。でも、これからの時代はメガネ型デバイスやコンタクトレンズ型デバイス、透明ディスプレイの発展により、ARが台頭するのではないかと考えています。今回はGoogle、NASA、Visible Bodyによって作られた授業で使えるARについてご紹介します。
VRとARの違い
まず、はじめにVRとARの違いを簡単に説明します。
VR
VRはVirtual Realityの略で、日本語では仮想現実と訳します。カードボードと呼ばれる眼鏡のようなものをつけて360°の画像や動画を見ることで、まるで違う世界にワープしたかのような感覚を味わえます。YouTubeで360°と検索窓するだけで様々な360°動画を見ることができます。プレイステーション4のvrゲームは本当に凄いですよ。
360°動画
AR
AR(Augmented Reality)は、日本語にすると拡張現実になります。VRが「別の仮想空間」を作り出すのに対して、ARは現実世界にCGなどで作るデジタル情報を加えるものです。つまり、現実世界に仮想現実を拡張させる技術といえます。VRと違い、ARはあくまで「現実世界が主体」になります。
ARを使うことで、CTスキャンした心臓を空間に映しだすこともできます。ARによって治療方法も大きく広がるそうです。そんなARがGoogleの検索で簡単に見ることができるようになったのはご存知でしょうか?
Google検索でARをみる
百聞は一見に敷かず、Googleで「トラ」と検索してみてください。
このような画面になるはずです。「3D表示」というボタンをクリックすると・・・
トラを3Dで観察することができます。角度や大きさも変えることができるのですがすごいのはここから!「周囲のスペースに表示する」をタップすると・・・
スマホのカメラを使って、現実世界にトラを呼び出せるんです。さらにカメラを動かすことで、トラを360°どこからでも観察することができるんです。
指で動かすこともできますが、実際にカメラをもってトラの周りを一周すると、本当にトラがそこにいるかのように感じてしまいます。2年生の動物の観察は教科書では動物園や水族館に行くとなっている場合がありますが、現実には難しいです。ARを使うことで教室で擬似的に生物を観察させることができます。
Google検索で呼び出せる動物たち
動物 |
トラ、パンダ、ヒョウ、ライオン、チーター、ヤギ、ウマ、クマ、オオカミ、シェトランドポニー、アライグマ、シカ、ハリネズミ、ボールニシキヘビ、ロットワイラー、フレンチブルドッグ、パグ、ゴールデンレトリバー、ポメラニアン、ネコ |
水中および湿地の動物 |
マガモ、アメリカアリゲーター、ホオジロザメ、ウミガメ、タコ、Angler Fish(アンコウ目) |
鳥類 |
コンゴウインコ、コウテイペンギン、イヌワシ |
2019年10月段階でこのような生き物をARで表示できるそうです。(※ケータイWatch参照)哺乳類、鳥類、は虫類、魚類がいるので、あと両生類がほしいところですね。今後も増えていくようなので楽しみです。
今回、このAR機能が「NASA」や「visiblebody」のサイトにも実装されたことが分かりました。
NASAの3D
GoogleとNASAが協力してつくったARが公開されています。惑星や月、探査機までたくさんのARを見ることができます。
天体のAR
探査機、人工衛星
- Voyager 1(ボイジャー1号)
- Apollo(アポロ)
- SMAP
- GRACE-FO
- Curiosity
- Spirit
- Cassini(カッシーニ)
- Juno
- Delta II
- 70-meter Antenna
- Neil Armstrong’s spacesuit(アームストロング船長の宇宙服)
教室を宇宙にすることができます。すごい授業ができそうですね。検索するときは[site:nasa.gov saturn]のようにNASAのサイト限定で検索するとよいようです。「saturn」の部分を調べたい単語にしてください。また、NASAのSpacecraft ARアプリをダウンロードすれば、Google検索で利用できないARも見ることができるようです。
Visible Body
NASAのAR以上に授業に使えると感じたARが人体の仕組みについて学べるVisible BodyのARです。NASAと同様に[site:visiblebody.com heart] や[site:visiblebody.com skeleton]と検索すると人体についてのARを見ることができます。
Visible body一覧
ARなら教室で人体の仕組みについて学ぶことができます。面白いですね。
ARの今後
ARは今後、教育分野で大活躍するはずです。事実、教科書を出版する東京書籍ではAR技術をつかった教材の製作をはじめています。
タブレットパソコンの一人一台体制の目標時期は2023年。政府が26兆円の予算を計上していることからも本気度がうかがえます。後3年・・・この3年間で各社が様々なデジタル教材を開発するはずです。科学大国日本を再度作り上げるためにも頑張ってもらいたいです。願わくば、ふたばのブログがその一助になれたら嬉しいです。
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