エジソンは、失敗を重ねたすえに電球を発明したことは知られていますが、失敗そのものが新たな発明に繋がることもたくさんあるようです。今回は、そんな失敗から生まれた発明品をご紹介します。
01.本当は心臓病の薬だった!バイアグラ
1990年代初頭、米国の製薬会社ファイザー社は、狭心症の患者用薬剤を開発していました。当初は血管を弛緩させる効果を期待していましたが、失敗。しかし、それが陰茎周辺の血管にだけ作用することが判明し、バイアグラと呼ばれる青い錠剤の開発に至ったそうです。
02.ニスをつくろうとして偶然できたプラスチック
1907年、ベルギーの化学者が高価な樹脂であるセラックニスの代用品を模索していました。その過程で、コールタールの廃棄物であるフェノールと、ホルムアルデヒドを組み合わせ、他の材料に混合していくことで、非導電性と耐熱性を兼ね備えたポリマーと呼ばれる分子の重合体を生み出します。これが世界初のプラスチックです。
03.うっかり手を洗い忘れて…人工甘味料が生まれた!
1879年、ロシアの化学者Constantin Fahlburgは、コールタール、リン、アンモニアなどの化学物質の反応を実験した後に、手を洗わずに家に帰ったところ、自分の手が甘くなっていることを発見し人工甘味料が誕生しました。
04.チョコバーが溶けてる…電子レンジを発明!
米レイセオン社のエンジニアのひとりが、レーダー機器の近くで作業していたときに、ポケットの中にあるチョコレートバーが溶けていることに気づいたそう。それが、電子レンジの発明のきっかけとなったそうです。
05.なぜか光ってる…とりあえず「X線」と名付けよう
1895年にドイツの物理学者レントゲン博士が、真空状態にしたガラス管に電圧をかける実験をしていたとき、その近くにあった蛍光板が発光しているところを偶然発見。何か分からなかったために、英語の「X」を使いX線と呼んだのがきっかけ。蛍光版に手をかざしたところ、骨までハッキリ見えてビックリしたということです。
06.十字架を置いておいたら偶然、放射線を発見!
1896年フランス、ベクレル博士は写真乾板の上に銅製の十字架を置き、ウラン化合物を載せて置いておいたところ、現像した乾板に十字架の形がくっきりと写っていることを発見。
そこから、ウラン自体が目に見えない放射線を放出していることに気づいたそうです。
07.硫黄をこぼしてできた!加硫ゴム
1839年、熱さと寒さの両方に耐久性のある加硫ゴムは、実験で使用していた硫黄をゴム靴にこぼしてしまい、ストーブの熱により加熱されたことで生まれました。
08.労働者の不満に注目!ワセリンが販売開始
1870年、ワセリンの開発者が米ペンシルベニア州にある世界初の油田を訪れたとき、労働者たちが掘削機に付着していたゼリー状の物質に不満を漏らしていたことに注目。これがワセリンです。
09.間違えて違う回路に接続…ペースメーカーが発明!
アメリカのエンジニアが不正動脈を記録する装置を作ろうとしていた時、その装置に間違えて抵抗器を挿入してしまいました。すると偶然回路が脈打ち、静止してまた脈打つというリズムを生み出しました。これがペースメーカーの発明に繋がったそうです。
10.たまたま着火!マッチ棒
1827年、イギリスの薬剤師が硫化アンチモンと塩素酸カリウムを含んだ化学物質の入った鍋を混ぜたとき、混合物が発火剤になることを偶然発見。擦ってみると、たちまち炎上。世界初のマッチが生まれました。
11.登山で発見!マジックテープ
スイスのある人が、1941年にアルプスを登山したとき、自分の服や愛犬に貼り付いた野生ゴボウの実をヒントに発明したのがマジックテープです。
12.冷蔵庫開発中に発明、テフロン加工
デュポン社の化学者は、1938年に新しいフロン冷蔵庫の製造を行っていました。そのテスト過程で、彼は偶然新しいポリマーを発見。それが、今キッチン用品に使われているテフロンです。
13.不老不死の研究中火薬が完成!
9世紀、不老不死の薬の研究をしていた中国の錬金術師は、その過程で、混合塩、硫黄、木炭を混ぜ合わせることで、火薬が生まれることを偶然発見しました。錬金術は火薬の他にも様々な発見につながりました。
14.危険物を土にこぼしたらダイナマイトができた
ダイナマイトを発明したアルフレッド・ノーベルさんは、ニトログリセリンの搬送中に、缶の破損によって漏れた液体が土にしみ込んで固まっていることを発見。それまでは爆発事故の絶えなかったニトログリセリンの運搬実験ですが、
珪藻土と混ぜることで安全に持ち運べるようになりました。ダイナマイトのおかげで莫大な財産を築いたノーベルさんは後世のためにノーベル賞を作りました。
15.知らぬ間に発見!核分裂
1930年代、 中性子によって自然界で一番重い元素ウランに衝撃を与え、もっと重い超重原子を作ろうと実験を重ねていた化学者でしたが、いくやっても軽い原子しか見つかりませんでした。そして彼は分裂しているとしか考えられないとの答えに行きついたそうです。
16.マラリア治療のはずが…合成染料ができた!
1856年、10代の学生は、マラリアを治療するために人工のキニーネ(抗マラリア薬)を作ろうとし、偶然にも世界初の合成染料を発見しました。
17.あれ?フラスコが割れない!安全ガラスが発明
20世紀初頭、フランスの化学者がフラスコを誤って床に落としてしまいました。ですが、そのフラスコにはセルロースの溶液が入っていたため、それが蒸発して薄い透明の膜ができており、フラスコは割れず。これが、安全ガラスの発明のきっかけになったそうです。
18.放置していたら…コーンフレークに!
実はシリアルも、偶然の産物。発端は、ある人物が医学博士の兄の研究助手や、患者の食事の調理を担当するようになったこと。ある日、パン生地の原料である茹でた小麦を誤って放置してしまい、数時間後に戻ってみると小麦がフレーク状になっていたといいます。さらに、それを焼いてみると、カリカリのコーンフレークができあがりました。今や朝食になくてはならない存在です。
19.サプリメントは未熟児用の栄養補助食品だった
プロクター・アンド・ギャンブルの科学者は、1960年代に未熟児のための栄養補助食品に取り組んでいました。その過程で、偶然カロリーが全くなく、栄養価の高いサプリメントを開発することに成功しました。
20.瞬間接着剤は戦争のために生まれた!
米・コダック社のエンジニアHarry Cooverさんは、第2次世界大戦中に、負傷兵の止血のために接着剤を開発。縫えない傷口をくっつけるために戦争で戦争でも使用されていました。これが今では、瞬間接着剤として様々な場所で使われています。。今でも接着剤は医療用で使用されています。
21.強い接着剤をつくろうとして…付箋ができた!?
1969年、米・3M社の研究員が、強力な接着剤を開発を試みていたところ、たまたま非常に弱い接着剤も作り出してしまいました。これが、現在広く使用されている付箋ののりになりました。
22.麻酔は娯楽用の薬だった!
麻薬は、1800年代初頭に、エーテルと亜酸化窒素を娯楽用としてパーティーで使用していたのが始まりです。薬を使用すると痛みを感じないという発見から、 手術用の麻酔としての利用方法が発見されました。
23.バネを落とした海軍技師が発見したバネのオモチャ
1943年、海軍技師のリチャード・ジェームスは、海軍艦艇の馬力を計測するメーターを作っていました。彼は偶然にも、これらのバネが床に落ちると、転がるように進んでいくことに気づき、バネのオモチャにたどりつきました。
24.休暇でうっかり忘れてた!ペニシリン
ブドウ球菌と呼ばれるバクテリアを研究していた研究者が2週間の休暇に出かけた際、
うっかりと試験皿のひとつにバクテリアを残してしまったそう。休暇後、彼は試験皿に菌が繁殖していることに気づき、そこにあったブドウ球菌が繁殖した菌によって成長できないことに気づいたことが、抗生物質ペニシリンの発明に繋がったそうです。
いかがでしょうか?偶然が生んだ発明品の数々。しかし、どの発見も発見者が「これは使える!」と思ったからこそ、商品としての価値を持ち世界に普及していったのです。常にアンテナを高くすることが大切だと感じました。