真核細胞と原核細胞についてオオカナダモとイシクラゲ(シアノバクテリア、ネンジュモ科ネンジュモ属)から迫っていきたいと思います。
真核細胞と原核細胞
出典:真核生物の起源
オオカナダモの観察
まずは真核細胞としてオオカナダモの葉を観察します。
綺麗です。オオカナダモの葉は細胞が2層構造になっています。
↑奥の細胞→手前の細胞とピントを合わせたオオカナダモ。酢酸カーミンで染色してしばらく時間を置きます。
核は細胞壁に貼りつくようにあります。
細胞は大きく、観察しやすいです。タマネギのように、核、細胞質、細胞壁などからなるものを真核細胞といいます。
酢酸ゲンチモアバイオレットで染色
酢酸ゲンチモアバイオレットで染色してみます。
染色体が鮮やかにうつりました。
イシクラゲ(ネンジュモ)の観察
続いて原始的な植物であるイシクラゲを観察します。今、地球上に酸素がこんなにたくさんあるのは、イシクラゲのおかげと言っても過言ではないそうです。
公園など水辺に近い地面に生息しています。顕微鏡で見てみました。
400倍で観察したもの。イシクラゲは別名をネンジュモと言います。念珠とはお数珠のことです。小さな細胞が規則正しく並んで、数珠(真珠のネックレス)のようになっています。どの細胞もオオカナダモに比べると小さいです。
↑染色したもの。
原核細胞には細胞壁と細胞膜など一部の機能しかありません。真核細胞は原核細胞から細胞レベルで進化したと考えられています。一説によると、原核細胞がネンジュモを細胞内に取り込むことで葉緑体を得たり、好気呼吸をしてエネルギーを作る細胞を取り込むことでミトコンドリアを得たそうです。その証拠にミトコンドリアや葉緑体は独自のDNAをもっていることがわかっています。これってすごいことですね。私たちの身体にもミトコンドリアのDNA があるんです。ちなみにミトコンドリアのDNAは父から遺伝するそうです。生命の神秘を感じた観察でした。