天王寺動物園で研修を行いました。動物について色々学ぶことができました。今回はその中でも骨格について学んだことをご紹介します。
シマウマの頭骨
まずはこちら。
うーん、大きな前歯がチャームポイント。よく発達しています。草を噛み切るためです。
上顎に答えが見えてしまいました。
そうシマウマです。
中学校で学習するように臼歯がとても発達しています。
アゴは左右に動くようになっているので、草をすり潰すことができます。
シマウマはかたい草をすり潰す臼歯を発達させる必要がありました。大きな歯を支えるために歯ぐきの中にある歯根も長くする必要がありました。ウマズラは草を消化するための苦肉の策だったんですね。
シマウマのかかとはどこ?
こちらはシマウマの全身骨格。ここで問題です。
シマウマかかとはどこですか?
シマウマはヒトと同じ哺乳類。骨格をよく観察すると答えが見えてきます。一見ひざのように見える部分がありますが、よくみると関節がヒトとは逆に曲がっています。
ということは・・・正解は
赤→かかと
黄緑→ひざ
オレンジ→足首(かかと)
ピンク→指の付け根
青→中指の先
レッサーパンダはみんな立つ!
オレンジ色の部分をひざだと思ってました。驚きですね。よく考えたら関節の曲がり方がぎゃくですもんね。人間の手首に相当します。骨格をヒトと対比させて考えるとわかりやすいです。
こちらは一時話題になったレッサーパンダさん。話題になった理由は・・・
立ったー、レッサーパンダが立ったー!
喜びたいところですが、獣医さん曰く
「どのレッサーパンダも立てます。骨格がそうなってるんです」
えー、あのニュースの盛り上がりはなんだったんだ?って感じですね。
実は骨格には3種類あって、レッサーパンダはヒトと同じ踵行性歩行なので苦労なく二本足で立てるのです。そうだったんだぁ。
ウマ目とウシ目の違い
こちらは牛の仲間のエランド。ウマとウシはよく比較されますが全く違う生き物です。生物学上、ウマ目(奇蹄目)とウシ目(偶蹄類)に分けられます。
牛は、ウシ目(偶蹄目)に分類され、蹄(ヒヅメ)の数が偶数になります。
中指と薬指です。鹿も2つでウシ目(偶蹄目)です。口蹄疫という病気が流行りましたが、あの病気は偶蹄目のがかかる病気だったので馬には伝染しないそうです。
馬は蹄が1つです。ヒトでいう中指一本で立っています。すごいです。口蹄疫のときも馬刺しは安全だったんですね。また、牛の仲間は馬とは違い上の前歯がありません。違いがわかると面白いです。
ペンギンのビンタは超痛い!?
こちらはフンボルトペンギン。南アメリカの沿岸部に生息しています。そう考えるとこの写真、なんだか不自然ですね。そう、暖かいところに住むペンギンなのに、なぜか氷をモチーフにした展示形式になってしまっているのです。
「天王寺動物園のペンギン舎は戦後すぐに建てられたから、ペンギンは南極というイメージしかない状態で作られたんです。作り直してあげたいけど、予算がないんです。」
とのこと。うーん、仕方がないですね。ペンギンはどう思ってるんでしょう?
ペンギンといえば短い足でヨチヨチ歩くペンギン歩き。ペンギンが人気者の理由
空気椅子状態やん!
なんでも、ペンギンは泳ぐ速さを高めるために足を身体にめり込ませるように進化したそうです。ヨチヨチ歩きは泳ぐ速度の代償だったんです。獣医さんの話では、亡くなったペンギンを持ち上げると足の骨が伸びて、ペンギンの足が長いことがよくわかるそうです。ひぇー!
また、普通鳥類は飛ぶために骨の密度を小さくしていますが、ペンギンは水圧に耐えられるように骨の密度がとても大きいそうです。つまり骨が重いんです。これも獣医さんの話ですが。血液検査などの際、ペンギンのヒレで殴られると、青あざができるそうです。ペンギンクラッシュ恐るべし・・・。