割り箸で炭作り

割り箸で炭作り
突然ですが、炭って不思議ですよね。燃やして作った炭が燃料になるってどういうことなんでしょうか?ということで今回は炭を作る実験を紹介します。
割り箸を燃やして炭を作ります。割り箸がどのような成分でできているかがわかります。
割り箸を5cm程度にして試験管に入れます。試験管にはガラス管付きゴム栓をしておきます。
割り箸は何でできているのでしょうか?
水が発生するため、試験官の口を少し下げた状態で実験を行ってください。
割り箸が黒くなってきました。
試験官の口から煙が発生してきました。下に落ちていくので空気より重いようです。
燃焼中の割り箸の様子
燃焼中の試験管の様子。茶色い液体と水、煙が発生しています。
煙からは独特の匂いがします。
実験後の試験管。茶色い液がこびりついています。
燃焼後の割り箸。真っ黒です。
元の割り箸と比べると細くなっています。あらかじめ重さを計っておいて比べてみても面白いと思いました。
発生した物質をまとめます。
●木ガス
木を乾留した時にでる気体。メタンが発生するため、火がつくときがある。
●木酢液
茶色い液体。ほとんどが水だか、酢酸を含むため、弱酸性を示す。
●木タール
木に含まれている油分。黒くて殺菌作用がある。食品に使われることもある。また、防腐効果もある。
学習指導要領的は分解の単元で使える非常に面白い実験だと感じます。しかし、この実験には、一つ大きな問題点があります。それは・・・
この試験管の中の汚れです。この汚れは水で洗ったくらいでは取れません。
汚れを取るには濃い水酸化ナトリウム水溶液につけおきするとよいそうです。6mol/lの水酸化ナトリウム水溶液でも薄いと言われました。うーん、個人的にはあまり使いたくないです。試験管ではなく、アルミホイルで包む方法もあります。生徒にはアルミホイルでやらせて、教師だけ試験管で行うなどうまく工夫して実験をしてみてください。
窪田 一志

1986年生まれ、近畿大学農学部卒業、学びエイド認定鉄人講師、理科コア・サイエンス・ティーチャー(CST)養成課程修了、MIE(Microsoft Innovative Educator 2022)取得、Apple Teacher 家庭教師、個別指導、塾講師を経て、神奈川県で5年間中学校理科教師として勤務。現在は大阪府の公立中学校で理科の楽しさを子どもたちに伝えるため日々奮闘中。 教材や教具、デジタル教材の開発、効果的なICT機器の活用方法、カードゲームや問題解決を通してのコミュニケーション能力の育成など自らの実践に基づいた教育活動を展開中。 ブログのアクセス数は月10万pvを超え、中学理科の授業情報をまとめた書籍「100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100」を明治図書から出版。また、ブログがアプリ化されるなど勢いのある教育研究者 兼 教育実践者。 先生向け情報サイト「ふたばのブログ」の他、反転学習や、家庭学習に利用できるオンライン学習サイト「ふたば塾」、中学理科の授業動画を中心としたYoutubeチャンネル「ふたば塾」を運営。 記事執筆、研修・講演依頼、書籍化についてはお問い合わせフォームからお願いします。 【著書】 100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100[明治図書出版] 授業力&学級経営力2023年12月号(記事執筆)[明治図書出版] 【協力実績】 株式会社 NHKエデュケーショナル 国立科学博物館 株式会社Gakken 日本テレビ「クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?」 株式会社 朝日新聞社 企画事業本部文化事業部 株式会社 高純度化学研究所 株式会社 アスウム 株式会社 学映システム 株式会社リバネス(教育応援VOL55) 株式会社ジヤトコ 富山県教育委員会「とやま科学オリンピック」 東京学芸大学 理科教育学分野 高知大学教育学部附属小学校 横須賀市立浦賀中学校 田尻町立中学校 順不同 Apple Teacher MIE(Microsoft Innovative Educator)