今回は、遺伝子操作や接ぎ木、品種改良で作った面白い植物をご紹介します。単元でいうと3年生の「遺伝」ですね。接ぎ木は、単元には関係ありませんが、興味を高めるという意味で見せると良いと思います。
ポマト(pomato)は、細胞融合よって作られたジャガイモ(potato)とトマト(tomato)の雑種。ジャガイモの茎にトマトを接いだ「ジャガトマ」「トムテト」とは異なる。1978年に西ドイツ(当時)のマックス・プランク研究所(分子細胞生物学・遺伝学研究所)のメルヒャーズ(Melchers)が初めて作出した。
Wikipediaより抜粋
ポマトは本来ジャガイモとトマトの一挙両得を狙ったものではなく、暖地性のトマトにジャガイモの耐寒性を持たせる目的で開発された。が、完成した植物はトマトとしてもジャガイモとしても不完全で役に立たない失敗作であり、一時期未来の植物と注目されたポマトは消えていった。
トムテト
トムテトはポマトとは違い、フルーツトマトとじゃがいもをThomson社独自のノウハウをもとに接ぎ木したものですが、トマトは市販のものよりも糖度が高く、じゃがいもも大振りなものが収穫できるとのこと。同社では、1本の接ぎ木から400個のフルーツトマトと2kgのジャガイモが収穫可能であるとしています。
キャべコン
キャベツとダイコンの葉の下を水平に切断。そして、ダイコンの上にキャベツを乗せて、接木用チューブで支える。その後、ビニールで作ったトンネルの中に入れる。そこから7~10日経つと、めでたくキャベコンの誕生となる。……と簡単に説明したが、キャベコンづくりはちっとも簡単じゃない。この新野菜、できあがるまでの成功率がすこぶる低いのです。
今回は150株を接木。しかし、成功したのはたった10株です。なんという、狭き門。
鍋の時期にピッタリ。キャベツ×白菜の合体植物。肉質はキャベツと白菜の中間で、歯切れよく芯も少ないです。サラダ、炒め物、鍋料理、漬け物などあらゆる料理に適しています。定植時期は8月上旬~10月。定植後、60日頃から収穫できます。
カリブロ
カリブロは、「ブロッコリー」と 「カリフラワー」 を組み合わせて生まれた新しい野菜なんです。カリフラワー ほど固くなく、食感はブロッコリー?、味はほんのり~カリフラワーに似ています。
スティックセニョール
スティック・セニョール(茎ブロッコリー)はブロッコリーと中国野菜の芥藍(カイラン)を掛け合わせたもので、茎まで柔らかく食べられる野菜です。実はもともと日本で開発された品種でしが、国内市場ではあまり流行りませんでしたが、輸出したアメリカで大変人気が出たため、日本に逆輸入されたそうです。ビタミンが豊富で栄養価が高い上に、調理用途も幅広く、茹でても炒めても美味しい野菜です。
チンコン
キャべコンと同じ方法。チンゲンサイと大根の合体植物。
カブコン
同じく、カブと大根の合体植物。
ハクコン
同じく、白菜と大根の接ぎ木。
たくさんの面白植物を調べてみて
生徒は、このような植物に面白さと科学の可能性を感じるはずです。しかし、遺伝子操作などは何が起こるか分からない部分もあります。生徒に見せるときは、良い部分だけでなく危険性についても合わせて教えるべきですね。