燃料電池?高分子給水ポリマーで電子オルゴールを鳴らしてみた!

未来のエネルギーとして、注目されている燃料電池。水素と酸素から電流を取り出し水を発生させる環境に優しい電池です。エネルギーと水を同時に得られるということでスペースシャトルにも使われました。最近ではトヨタが
燃料電池自動車MIRAIを発表するなど、私たちが日常的に燃料電池を使う時代も近づいてきています。

toyotaの燃料電池自動車 MIRAI


 

出典:TOYOTA

今回は燃料電池とおなじ、水を使った化学実験をご紹介します。

ー追記ー
この実験は燃料電池ではなく、コンデンサーとして機能しているのではないかという考えがあるようです。そのため、ここでは燃料電池としてではなく、水を使って電流を発生させる実験としています。

【高分子吸水ポリマーを使った実験】

高分子吸水ポリマー0.3gに純水100gをいれます。高分子給水ポリマーはオムツから取り出しました。
高分子給水ポリマーが凄い勢いで水を吸収します。
↑ゲル状になった純水。高分子給水ポリマーの主成分はポリアクリル酸ナトリウムでこれが電解質の役割をします。
ここに二本の炭素棒(鉛筆型シャープペンの芯)を差し込みます。
完成です。
鉛蓄電池のように9Vの電池で電流を流します。
水を水素と酸素に分解します。

化学反応式

水の電気分解:2H2O → 2H2 + O2
陽極:2O2- + 4e- → O2
陰極:2H+ + 2e- → H2
陰極の炭素棒をよく見ると水素が発生していることがわかります。
同様に陽極には酸素が発生します。高分子給水ポリマーがあるので、気体が空気中に出ていかないんです。
2、3分程度充電してから電子オルゴールに繋ぐと音がなりました。準備も簡単なので、電池の授業でやってみてはいかがでしょうか。
窪田 一志

1986年生まれ、近畿大学農学部卒業、学びエイド認定鉄人講師、理科コア・サイエンス・ティーチャー(CST)養成課程修了、MIE(Microsoft Innovative Educator 2022)取得、Apple Teacher 家庭教師、個別指導、塾講師を経て、神奈川県で5年間中学校理科教師として勤務。現在は大阪府の公立中学校で理科の楽しさを子どもたちに伝えるため日々奮闘中。 教材や教具、デジタル教材の開発、効果的なICT機器の活用方法、カードゲームや問題解決を通してのコミュニケーション能力の育成など自らの実践に基づいた教育活動を展開中。 ブログのアクセス数は月10万pvを超え、中学理科の授業情報をまとめた書籍「100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100」を明治図書から出版。また、ブログがアプリ化されるなど勢いのある教育研究者 兼 教育実践者。 先生向け情報サイト「ふたばのブログ」の他、反転学習や、家庭学習に利用できるオンライン学習サイト「ふたば塾」、中学理科の授業動画を中心としたYoutubeチャンネル「ふたば塾」を運営。 記事執筆、研修・講演依頼、書籍化についてはお問い合わせフォームからお願いします。 【著書】 100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100[明治図書出版] 授業力&学級経営力2023年12月号(記事執筆)[明治図書出版] 【協力実績】 株式会社 NHKエデュケーショナル 国立科学博物館 株式会社Gakken 日本テレビ「クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?」 株式会社 朝日新聞社 企画事業本部文化事業部 株式会社 高純度化学研究所 株式会社 アスウム 株式会社 学映システム 株式会社リバネス(教育応援VOL55) 株式会社ジヤトコ 富山県教育委員会「とやま科学オリンピック」 東京学芸大学 理科教育学分野 高知大学教育学部附属小学校 横須賀市立浦賀中学校 田尻町立中学校 順不同 Apple Teacher MIE(Microsoft Innovative Educator)

View Comments

  • 以前に「燃料電池」として話題になった実験ですが、本当は単にコンデンサになっているだけという説があります。
    私も何度か実験した経験から、コンデンサ説を支持します。

    • コメントありがとうございます。そうだったんですね。誤解を招く可能性があるので、記事を一部変更しました。情報をありがとうございました。