中学校一年生、状態変化(物質の三態)の単元でつかえる実験です。
二酸化炭素の液体
二酸化炭素は常温で気体。大気の約2パーセントを占め、小学校で石灰水の実験や植物の授業など、生徒の関わりの高い物質です。
固体はドライアイスとして家庭でも使われ、身近な物質で昇華が観察することができます。
そんな身近な二酸化炭素ですが、「液体」の状態を見たことのある人は少ないのではないでしょうか?それもそのはず
二酸化炭素は常圧下では融点がなく、昇華点が-78.5℃となります。液体にはなり得ないんですね。でも、二酸化炭素を液体化する方法があります。その方法とは圧力をかける。例えば5.2気圧では融点が-56.7℃となり、液体の二酸化炭素を観察することができるのです。イメージとしては気体の二酸化炭素に圧力をかけることで無理やり液体にするという感じでしょうか?
実験方法
準備物
外形10mm、内径7mmの塩化ビニルのチューブ、ペンチ、ドライアイス
- チューブの端をペンチで折り曲げる
- ドライアイスを細かく砕き、チューブの8分目くらいになるように詰める
- 素早くチューブを折り曲げて、ペンチでしっかりとはさむ。
- ドライアイスがチューブ内に均等に行き渡るように振動を与える。
- しばらくするとチューブ内の気圧が上がり、液体の二酸化炭素が観察できる。
- ペンチを緩めて減圧すると再び凝固してドライアイスとなる。
この実験は、圧力をかけて液体化した二酸化炭素を見ることも意外性があり面白いですが、チューブを減圧したときに液体の二酸化炭素が再度固体になるというところも面白いと思います。子どもたちのイメージでは、状態変化と温度は結びついていますが、状態変化と圧力は結びついていません。合わせて、山の上では沸騰が下がることや、減圧するだけで水を沸騰させることができることなどを示せばはらに興味関心を高められると感じました。
減圧沸騰の動画
富士山頂での水の沸騰温度計測実験