ポルフィリンは生物の生命活動を支えています。私たちの目が見えるのもポルフィリンが光エネルギーを浴びることで形を変えているからです。全ての生命にとってとても大切なポルフィリンなのです。拡張ポルフィリンは京都大学の教授と大学院生が実験の中で偶然発見したもののようです。実験にはこのような偶然性が結構ありますよね。
蓋をし忘れたシャーレに落ちた青カビから見つかったペニシリン、間違えて触媒を1000倍の濃度で入れたことから見つかった導電性高分子、X線などは全て偶然の産物です。今回は、そんな偶然の産物ポリフィリンの薄層クロマトグラフについて書いていきます。
拡張ポルフィリンの薄層クロマトグラフ
構造式
出典:wikipedia
ポリフィリンとは
ポルフィリンはポルフィンを基本骨格とし,周囲にある水素原子を他の原子もしくは原子団で置換して得られる化合物の総称。ポルフィリン
の誘導体はヘモグロビン,チトクローム,クロロフィル
などの形で広く動植物中に存在する
出典:コトバンク
実験方法
拡張ポルフィリンを細いガラス管でポイントしていきます。
4つポイントを打ちました。 この試験紙をジクロロメタン:シクロヘキサンを1:3にした溶液に浸します。すると・・・
↓GIFアニメ(クリック)
真っ黒だったポルフィリンが物質ごとに分離していきます。
これは液体が毛管現象で上に上っていく際の引っ掛かり安さが物質ごとに異なることで起こります。浸す液体のジクロロメタンとシクロヘキサンの配合比を変えることでこの引っ掛かり安さを変えることができます。
左:ジクロロメタン:シクロヘキサン
=3:1
中央:ジクロロメタンのみ
右:シクロヘキサンのみ
それぞれで実験しました。
シクロヘキサンのみ(右)は全く上りません引っ掛かり過ぎるんですね。
ジクロロメタンのみ(中央)では全ての物質が上りました。引っ掛からないんです。シクロヘキサンにジクロロメタンを少し混ぜると少しだけ分離しました。
液体クロマトグラフィー
物質を分離できたら、次は液体クロマトグラフィーです。
色ごとにハサミで切り取ります。
それぞれ色ごとにエタノールで物質を溶かし出して液体クロマトグラフィーにかけます。
このように光の通り安さで分類することができました。こうやって物質を分類していくんですね。勉強になりました。