地磁気について学べる面白実験の紹介です。
地磁気を体感できる面白実験
用意するのは伏角計と
鉄の棒です。
学校に交流の電源装置はあるでしょうか?中学校で交流の電源装置を使うときは少ないと思います。しかし、交流の電源装置があるからこそ出来る実験があります。交流の電源装置をつかうことで磁石の磁力をなくすことができます。
電源装置を交流にします。コイルに電流を流すと右ねじの法則に従って交互に磁界が発生します。こうすることで鉄芯内の磁力がなくなります。この時鉄芯は磁力を影響を受けて振動しています。鉄芯をコンパスに近づけても反応しなくなったことを確認します。
続いて使うのが伏角計です。伏角を調べることができます。
伏角
伏角とは地球を棒磁石と考えた時、赤道以外の地点で磁力線の向きが水平面に対して地面の方向に向く角度のことです。精度の高い方位磁針は伏角を計算してS極側に重りをつけています。
↑S極側にコイルでお守りがつけられています。この方位磁針は使える緯度がきまっているということです。
伏角計によると、計測地点の伏角は約60°でした。磁力を失った鉄芯を伏角に合わせて持ちます。
その角度を維持した状態で金属などに打ち付けて衝撃を与えると・・・
地磁気により鉄芯が磁化されるのです。磁化されたかどうかは方位磁針が反発したかどうかで調べます。北側(S極側)に向けて振動を与えたので、鉄芯の先はN極になるはずです。方位磁針のN極が反発すれば実験成功です。磁石で鉄釘を磁化させる実験はよくありますが、地球で鉄芯を磁化させることができるとは知りませんでした。磁鉄鉱などはこの地磁気から磁化されて磁界の向きが決まるので。磁鉄鉱を掘り出すと磁鉄鉱が堆積した時代の地磁気の向きがわかるそうです。壮大ですね。
各年代の伏角
日本各地域の伏角は理科年表にのってあります。気になるかたは調べてみてください。