化学電池でイオン化傾向を調べる実験

中学校でよくやる、化学電池をつかったイオン化傾向を調べる実験です。

化学電池でイオン化傾向を調べる実験

使った金属

使った金属は、Al(アルミニウム)、Fe(鉄)、Zn(亜鉛)、Pb(鉛)、Cu(銅)、Mg(マグネシウム)の6種類です。
金属片はあらかじめ紙やすりでよく磨いておきます。
電流を流すようにシャーレにろ紙を入れて食塩水で濡らします。
実験準備完了です。
検流計を使って化学電池の電圧を調べ、イオン化傾向を調べます。
陰極になった金属が溶けだすため、陽極の金属に比べてイオン化傾向が高いことがわかります。

実験結果

イオン化傾向の高いもの順に
Mg > Zn > Fe 
  Al > 
Pb

Cu
???
おかしくないですか?
イオン化傾向で考えると
Mg > Al >Zn > Fe 
   
 
Pb Cu
になるはず、Al(アルミニウム)の場所がおかしいんですね。これは実験が失敗したわけではありません。
実はアルミニウムは、空気中では瞬間的に酸素と反応して酸化皮膜Al2O3(アルマイト)を作ります。このようなアルミニウム性質上、イオン化傾向にそぐわない結果になってしまうのです。そのため、学校でイオン化傾向を調べる実験でアルミニウムを使うことはありませんが、学習内容を深めるためにあえてアルミニウムを使ってもおもしろいのではないでしょうか。
窪田 一志

1986年生まれ、近畿大学農学部卒業、学びエイド認定鉄人講師、理科コア・サイエンス・ティーチャー(CST)養成課程修了、MIE(Microsoft Innovative Educator 2022)取得、Apple Teacher 家庭教師、個別指導、塾講師を経て、神奈川県で5年間中学校理科教師として勤務。現在は大阪府の公立中学校で理科の楽しさを子どもたちに伝えるため日々奮闘中。 教材や教具、デジタル教材の開発、効果的なICT機器の活用方法、カードゲームや問題解決を通してのコミュニケーション能力の育成など自らの実践に基づいた教育活動を展開中。 ブログのアクセス数は月10万pvを超え、中学理科の授業情報をまとめた書籍「100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100」を明治図書から出版。また、ブログがアプリ化されるなど勢いのある教育研究者 兼 教育実践者。 先生向け情報サイト「ふたばのブログ」の他、反転学習や、家庭学習に利用できるオンライン学習サイト「ふたば塾」、中学理科の授業動画を中心としたYoutubeチャンネル「ふたば塾」を運営。 記事執筆、研修・講演依頼、書籍化についてはお問い合わせフォームからお願いします。 【著書】 100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100[明治図書出版] 授業力&学級経営力2023年12月号(記事執筆)[明治図書出版] 【協力実績】 株式会社 NHKエデュケーショナル 国立科学博物館 株式会社Gakken 日本テレビ「クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?」 株式会社 朝日新聞社 企画事業本部文化事業部 株式会社 高純度化学研究所 株式会社 アスウム 株式会社 学映システム 株式会社リバネス(教育応援VOL55) 株式会社ジヤトコ 富山県教育委員会「とやま科学オリンピック」 東京学芸大学 理科教育学分野 高知大学教育学部附属小学校 横須賀市立浦賀中学校 田尻町立中学校 順不同 Apple Teacher MIE(Microsoft Innovative Educator)