固体の亜鉛は電流を通しました。
液体状態の亜鉛を調べるにはガスバーナーで亜鉛を融かした後、ガスバーナーで熱した状態のまま電極を入れて下さい。※突沸の恐れがあるので、試験管の口は絶対に人に向けないで下さい。また、熱に強いPIREXの試験管を使ってください。
亜鉛は液体の状態でも電流が流れました。
亜鉛は水に溶けないため水溶液の実験はできませんでした。
②水酸化ナトリウム、塩化ナトリウム
水酸化ナトリウムは固体の状態では電流を通しませんでしたが、液体状態、水溶液の状態では電流を通しました。塩化ナトリウムも同様の結果でした。
③砂糖、酢酸
砂糖は固体状態、液体状態、水溶液のどの状態でも電流をながしませんでした。酢酸は固体状態は調べられませんでしたが、液体、水溶液の2つの状態では電流を通しませんでした。
<実験結果>
①亜鉛
固体◯、液体◯、水溶液?
②水酸化ナトリウム、塩化ナトリウム
固体✖、液体◯、水溶液◯
③砂糖、酢酸
砂糖→固体✖、液体✖、水溶液✖
酢酸→固体✖、液体✖、水溶液◯
物質の電流の通しやすさには3つのパターンがあることがわかりました。子どもたちににはこの3つの物質の違いを考えさせたいです。正解は化合している物質の種類です。
①亜鉛は金属と金属、②水酸化ナトリウム、塩化ナトリウムは非金属と金属、③砂糖、酢酸は非金属と非金属になります。そしてこれはそのまま物質の結合方法に関係してきます。
①金属結合、②イオン結合、③共有結合
結合方法から電導性について考えていきます。
電動性
①金属結合
金属結合もつ物質は自由電子によるクーロン力で結合しています。固体状態でも液体状態でも自由電子があるため電流が流れると考えられます。
②イオン結合
塩化ナトリウムではプラスの性質をもつナトリウムと、マイナスの性質をもつ塩素が電気的に結合しています。固体状態では自由に動けるイオンがなく、電流を通しません。しかし、液体の状態ではイオン結合が切れて塩化ナトリウムはイオンに分かれます。そのため電流を流すようになります。
③共有結合
共有結合はイオンとは関係なく、電子の過不足で結合しています。非電解質の物質は固体、液体、水溶液の状態によらず電流を通すことはありません。
しかし、酢酸は注意が必要です。酢酸そのものは液体で分子構造は CH3COOH です。この状態ではイオンがないため電流は通しません。しかし酢酸に水を加えると
CH3COOH <—> CH3COO⁻ + H⁺
となり、イオンが生じるため電流を通すようになります。
※ coysさんから「酢酸は電解質で電流を通す」というコメントを頂きました。調べてみると酢酸は共有結合ですが、水溶液中では酸として水素イオンを伴うため電流を通します。記事を訂正させていただきました。coysさん情報ありがとうございました。
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いつも楽しく拝見させて頂いております。
この記事の酢酸についてですが酢酸は分子性物質であると同時に
電解質であると自分は把握しておりました。
したがって、水溶液にすると電離し、電流が流れると思うのですが
いかがでしょうか。