3種類の雲を作ろう

宇宙からみた雲の写真です。今回はこの写真にある3つの雲を実験で再現します。

三種類の雲を再現する

①筋状雲

冬季の大陸で放射冷却により形成された寒気が海上に出ると、海面からの加熱と海面からの蒸発による水蒸気の供給を受けて対流が起こり、発達した対流雲が筋状にできる。これを筋状雲といいます。再現してみます。
道の先にトレーがあり、トレーにはお湯が入っています。
道のスタートには缶を置き、下の部分に穴をあけます。
缶の中にはビーカーをいれています。

ビーカーの中にはドライアイスをいれます。
お湯を入れると・・・
すごい勢いでドライアイスが出てきます。
お湯の上では上昇気流が起こっていることがわかります。それでは筋状雲をみていただきます。
おー!たしかに筋状になりました。これの大きなものが陸から海に空気が流れ込んだところで起きているんですね。ワンダフル。
この装置は空気が物体に当たった時にどのような気流が発生しているかを調べることもできます。上に置いた円錐は山を表しています。ここに気流があたると・・・
山の風下で2つの渦が発生していることがわかります。
こちらは2つのビルが並んで立っているとき、その間に強いビル風が吹くことをあらわしています。確かに建物の間に強い気流が発生していることがわかります。
今は全てコンピューターですが、昔は車にせよ飛行機にせよこのような方法で気流を調べていたそうです。

②細胞状対流

晩秋から春先の冬型の気圧配置の時、昼の気象衛星画像をみると、海上に斑点模様の雲がみられる。これは暖かい海面と冷たい大気との間の対流(ベナール型対流)によって発生した雲で細胞状対流とも呼ばれています。再現します。
シリコンオイルにアルミの粉末をいれて、よく混ぜ合わせます。コーンオイルとココアパウダーでもできるそうです。
金属の平皿にいれてお湯を張った桶に入れます。
 
少し時間を置くと・・・
細胞状の丸い模様が浮かび上がりました。おもしろいです。

③カルマン渦列

流体中に円筒を立てた時や静止流体中に円筒を移動させた時に発生します。大気現象としては島に高い山がある時に発生して、上の地図では朝鮮半島の南端の南にある済州島の風下にカルマン渦列がみられる。再現してみます。
静止流体中に円筒を移動ということで、炭を使った実験をしました。薄く炭を張った水を竹ひごで線を引き、紙をのせます。
紙を見て見ると

カルマン渦やー!

ということで雲を作る3つの実験でした。
窪田 一志

1986年生まれ、近畿大学農学部卒業、学びエイド認定鉄人講師、理科コア・サイエンス・ティーチャー(CST)養成課程修了、MIE(Microsoft Innovative Educator 2022)取得、Apple Teacher 家庭教師、個別指導、塾講師を経て、神奈川県で5年間中学校理科教師として勤務。現在は大阪府の公立中学校で理科の楽しさを子どもたちに伝えるため日々奮闘中。 教材や教具、デジタル教材の開発、効果的なICT機器の活用方法、カードゲームや問題解決を通してのコミュニケーション能力の育成など自らの実践に基づいた教育活動を展開中。 ブログのアクセス数は月10万pvを超え、中学理科の授業情報をまとめた書籍「100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100」を明治図書から出版。また、ブログがアプリ化されるなど勢いのある教育研究者 兼 教育実践者。 先生向け情報サイト「ふたばのブログ」の他、反転学習や、家庭学習に利用できるオンライン学習サイト「ふたば塾」、中学理科の授業動画を中心としたYoutubeチャンネル「ふたば塾」を運営。 記事執筆、研修・講演依頼、書籍化についてはお問い合わせフォームからお願いします。 【著書】 100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100[明治図書出版] 授業力&学級経営力2023年12月号(記事執筆)[明治図書出版] 【協力実績】 株式会社 NHKエデュケーショナル 国立科学博物館 株式会社Gakken 日本テレビ「クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?」 株式会社 朝日新聞社 企画事業本部文化事業部 株式会社 高純度化学研究所 株式会社 アスウム 株式会社 学映システム 株式会社リバネス(教育応援VOL55) 株式会社ジヤトコ 富山県教育委員会「とやま科学オリンピック」 東京学芸大学 理科教育学分野 高知大学教育学部附属小学校 横須賀市立浦賀中学校 田尻町立中学校 順不同 Apple Teacher MIE(Microsoft Innovative Educator)