磁石につくものつかないものを調べる実験。小学校では電気を通すものを金属と学習した後の単元になります。電気での学習がしっかりできている生徒は磁石も同様に金属はくっついて、非金属はつかないと考えます。実際に実験をやってみると、お金(小銭)やアルミは磁石がくっつかないことがわかり、【金属=電気が通る=磁石がつく】という考えが間違っていることを学びます。小学校では金属の中でも鉄だけが磁石につくと学習するそうです。
しかーし、せっかく面白い性質を持つ磁石。もっと遊びたいですね。小学校では早くても中学校なら発展的な学習教材として扱えると思いました。復習にもなりますしね。ということで今回は「磁石につくかつかないか〜中学バージョン〜」での実験を考えていきたいと思います。
磁石につくものつかないもの〜発展バージョン〜
磁石につくか調べるもの
●クリップ ●はさみ ●スチール缶 ●アルミ缶
●使い捨てカイロ ●スパンコール ●10円玉
● 500円玉●1万円札 ●アラザン ●脱酸素剤
●クレパス ●クレヨン ●コーンフレーク
クリップは誰もがつくとわかります。
ハサミは金属部分とプラスチック部分でついたりつかなくなることに気づかせることができます。
スチール缶とアルミ缶の比較は小学校で必ず行われる実験のため、既習事項の確認として使えます。
本番はここからです。
使い捨てカイロ
まずは使い捨てカイロです。化学を先に履修していれば、使い捨てカイロの中身が鉄粉であることがわかるので磁石に引き寄せられることがわかります。使用後の使い捨てカイロ(酸化鉄)と比較して磁力が弱くなることも確かめさせたいです。小学校では砂鉄で遊ぶことも多いようですが、砂鉄が酸化鉄ということは学習していません。鉄だと思っている生徒も多いのではないでしょうか?空気中では穏やかに酸化が進むことを学ぶ機会になるはずです。
お金
スパンコール、10円玉、500円玉は引っかかりやすいです。「金属=磁石にひきつけられる」と考えていると間違えます。金属であっても磁石につかないものがあること。お金は犯罪防止のために磁石につかないようになっていると聞くと納得ですね。
お札
お札は磁石に惹きつけられます。意外ですね。お札と言ってもインクの部分だけ。引きつけられる力はとても弱いです。下のように竹串と洗濯バサミを使って確かめることができます。
竹串の先に折り曲げたお札をおきます。
強めの磁石(アルニコやネオジム)を近づけると・・・
お札がゆらゆらと揺れ始めます。
髪の毛などに強く反応することからインクにひきつけられていることがわかります。
福沢諭吉せんせいでは、
「壱」の字に引き付けられます。
アラザン
ケーキなどのデコレーションに使われるアラザン。食べ物だけど電気を通す性質をもっています。色付きは通さなかったりします。磁石にはひきつけられませんでした。砂糖に食用の銀をコーティングしているそうです。金や銀は反磁性体なので磁石にはくっつきません。厳密にいうとかすかに反発しているそうです。
脱酸素剤
実際に磁石を近づけてくっついたときは感動です。
気になったので調べて見ました。脱酸素剤はカイロと同じで鉄が錆びる時に酸素を吸収するという化学反応を利用して酸素を吸着します。混同しやすいのはシリカゲル。シリカゲルは乾燥剤になります。ケイ酸のゲルを脱水、乾燥させてつくります。吸湿するとピンク色にかわって、乾燥させると透明になります。シリカゲルとはべつに石灰を用いた乾燥剤もあるそうです。脱酸素剤は鉄が入っているから磁石に惹きつけられるんですね。これなら小学校でも使えそうです。
クーピーとクレヨン
続いてクーピーとクレヨンです。時計皿に置いてネオジム磁石を近づけるとクルクルと回りました。
茶色だけが反応するようです。茶色系の他に灰色系にも材料として鉄が使われているそうです。おもしろいです。最後に実験したのはコーンフレーク。
コーンフレーク
シャーレに薄く水に張って磁石に近づけると・・・
ふわ〜ふわ〜と磁石に引き付けられました。
驚きです。なんでも、ケロッグの鉄分豊富のコーンフレーク限定のようです。鉄分豊富なものは磁石にひきつけられるんですね(笑)
↑成分表にもちゃんと「鉄」と記入されています。ほうれん草もつくんですかね?
身近なものには意外なものが電気を通したり磁石にひきつけられたりします。ゴールデンカレーの金文字はどうでしょう?うーん、謎は深まるばかりですね。