まずは胞子の採集です。採集したカニクサに新聞紙をかけて乾燥させます。しばらくすると新聞紙に胞子が落ちてたくさんたまります。胞子はガラス瓶などに入れて冷暗所(冷蔵庫)で保存します。
この胞子から前葉体(胞子体)を作ります。まず、胞子を水を入れた試験管にいれます。胞子の表面に雑菌があるかもしれないので、培養(特に寒天培地)の際は4〜6%の次亜塩素酸ナトリウム溶液を20倍に薄めて殺菌するとよいそうです。
胞子+水
寒天培地かけます。
胞子を撒いた寒天培地。
「大きくなれよ〜」 っと声をかけてしまいました。ふたばの口の雑菌が入っていないことを祈ります(祈)今回はハイポネックス入りの水での培養も同時に行いました。
↑たくさんの胞子。ハートいっぱいになりますように♡
カニクサの観察日記
3日目
胞子から前葉体の赤ちゃん(表現は適当です)がでてきました。ちゃんと緑色です。まだハートには見えませんね。
6日目
根・・・ではなくて。仮根が生えてきました。かわいい♩
1ニョキー、2ニョキーっ!
10日目
わーお!しばらくみない間にめちゃくちゃ成長してました。立派に小さいハート型です。寒天培地ではまっすぐ生えてきました。
うーん、カイワレダイコンみたいです。
こちらは水での培養。寝転んでいるので観察しやすいです。
12日目
肉眼で見た寒天培地。まるでコケのようです。・・・コケでした(笑)
胞子と胞子から出た前葉体のハート型が観察できます。
拡大すると、前葉体の細胞が見えます。前葉体には葉脈はありません。
次にお手軽水培養の前葉体を観察してみましょう。緑色の糸くずのようなものがフヨフヨ浮かんでいます。
これはまさしく「前葉体」。仮根までしっかりと観察することができます。
400倍で見た前葉体。今回の実験から前葉体だけなら水培養の方が培養から観察まで簡単にできることがわかりました。ただし、前葉体が起き上がることができないので、これ以上成長するのは難しそうです。造精器や造卵器を観察したりするなら寒天培地の方が良さそうです。。
植木鉢で前葉体を観察する方法
今回は、寒天培地と水培地で観察実験を行いましたが、素焼きの植木鉢に胞子をかけておく方法もあるそうです。
これ、庭の片隅で見かけたことがある人もいるのではないでしょうか?植木鉢でやるときは、使い古された植木鉢の方が栄養があってよく成長するそうです。