物質のの三態は、一年生の単元です。物質には固体、液体、気体の3つの状態があり、多くの物質で固体⇨液体⇨気体の順に体積が大きくなっていくと教えます。多くの学校でロウを例にして授業をしていると思います。しかし、ここで大きな問題が・・・我々にとって最も身近な物質である「水」だけは例外的に液体の水より固体の氷の状態の方が体積が増えるのです。
なぜ水を凍らせると体積が増えるのか?
私たちにとって最も身近な水が例外というところがやっかいですね。小学校ではヤクルトに入れた水を凍らせた図で教えるそうです。
↑水をヤクルトの容器に入れてラップをして凍らせると表面が膨らんで凍る
小学校で「液体が固体になると体積が増える」と強くインプットされた結果、ロウや水以外の物質で問題が出された時に液体が固体になった時に体積が減ると答えられないのだと思います。
中学校で物質の三態を教える時にはこれらを踏まえて、まず水の状態変化が分子構造にどのような影響を与えるかを考えさせるべきだと思います。分子は中学校2年生の単元なのでここで扱うのに抵抗がある先生もいるかもしれませんが、分子モデルについては小学校で教える先生も多いと聞いています。生徒の実情に合わせて教えていただければと思います。
①まずは水分子の分子モデルを見せます。「H2O」というスポーツドリンクもあるので、知っている生徒も多いと思います。(最近あまり売っていないかも・・・)
②次に水(液体)の状態をモデルで示します。↓
この容器には48の水素分子が入っています。軽く振ると分子がガシャガシャと音を立てます。水分子に動きがある状態がわかります・・・少し強引かな(笑)
次に氷(固体)の状態のモデルを見せます。↓
水素原子と酸素原子が規則正しく向かい合っているのがわかると思います。電気的な話や水素結合についてはここでは触れないほうがわかりやすくていいですね。
うーん、美しいです。この氷の分子モデルも48の水分子でできています。比べると・・・
おー!固体のほうが体積が大きいです。視覚的にわかりやすい教材だと思いました。
他にも氷の分子構造が6角形であることに気づかせて、
「氷の結晶ってどんな形?」
と発問するのもいいかもしれません。
すべて六角形なことに気づけば・・・理科って面白い!となるのではないでしょうか?
ということで水の状態変化の教え方でした。一番のネックは分子モデルを作る大変さと氷の結晶をモデルで表す苦労ですね(笑)発泡スチロールと発泡スチロールカッターでもできますが、最近は教材やさんでも売られているので、買うのも1つの方法だと思います。ずっと使えますもんね。お金で時間を買うことも多忙な教師の1つの技だと思います。ではでは〜