最近、子どもだけでなく大人も心が折れやすくなったように感じます。
なぜ今、心の回復力が必要なのか
最近、「精神的に弱くなった人が増えた」ということが話題にあがることがあります。
もちろん昔の人が特別強かったわけではありませんし、今の人が弱いと言いたいわけでもありません。ただ、学校や職場で人間関係のトラブルが起きたときの対応が、以前とは少し変わってきたように感じるのです。
例えば友だちとケンカをしたとします。
本来であれば次の日に学校へ行き、
「昨日はごめん。」
「こっちも言い過ぎた。」
そんなやり取りをしながら少しずつ仲直りしていくことができます。
ところが最近は、ケンカをきっかけに学校や職場へ行かなくなるケースも少なくありません。
もちろん本人も苦しくて休んでいるのでしょう。しかし、相手が謝ろうとしていても会えなければ仲直りはできません。
数日経つと不思議なことが起こります。
人間には自己防衛本能があります。
これは性格が悪いとか、わがままだという話ではありません。
人はつらい出来事を経験すると、自分の心を守るために記憶を整理し始めます。
「自分は悪くなかった。」
「悪いのは相手だった。」
そんなふうに少しずつ記憶が補正されていくことがあります。
すると、過去の嫌だった出来事まで思い出し、
「あの時も嫌だった。」
「前から自分は傷つけられていた。」
と感じるようになることもあります。
気が付けば、相手も自分も苦しい状態になってしまいます。
本来なら仲直りできたかもしれない出来事が、どんどん大きな問題になっていくのです。
いじめが増えたのか、それとも…
ふたばは、いじめは絶対に許されない行為だと思っています。
しかし一方で、以前なら友だち同士のすれ違いや行き違いで終わっていたような出来事まで、「いじめ」と感じてしまうケースが増えているようにも感じます。
もちろん本人が傷ついた事実は大切です。
ですが、その結果として、
「やられたと感じた人」
だけでなく、
「そんなつもりはなかった人」
も苦しむことになります。
双方が不幸せになる関係は、とても悲しいことではないでしょうか。
人間関係の問題を解決する力
アドラー心理学には、
「すべての悩みは人間関係の悩みである」
という有名な言葉があります。
実際に考えてみると、多くの悩みは人との関わりの中で生まれています。
友人関係。
親子関係。
職場の人間関係。
恋愛や結婚。
どれも人と人との関係です。
つまり、人間関係の問題を解決する力を身につけることができれば、多くの悩みを乗り越えられる可能性があります。
そして、この力こそがレジリエンス、つまり「心の回復力」と深くつながっているのではないかと、ふたばは感じています。
心も筋肉と同じかもしれない
では、人間関係を乗り越える力はどうすれば育つのでしょうか。
ふたばは筋トレやスポーツと同じではないかと思っています。
筋肉は負荷をかけなければ成長しません。
スポーツも同じです。
何度も失敗しながら練習することで上達していきます。
心も同じではないでしょうか。
少し嫌なことがあった。
思い通りにいかなかった。
友だちと意見がぶつかった。
試合で負けた。
そんな小さなストレスを経験しながら、人は少しずつ強くなっていくのかもしれません。
もちろん無理は禁物です。
重すぎるバーベルが危険なように、強すぎる精神的負荷は人を傷つけます。
だからこそ難しい。
筋肉なら見ればある程度わかります。
しかし心の強さは見えません。
同じ言葉でも平気な人もいれば深く傷つく人もいます。
昨日は平気だったのに、今日は体調の影響で耐えられないこともあります。
だから大人は負荷を避けようとします。
傷つけたくないからです。
しかし、負荷をゼロにすると今度は耐性が育たなくなります。
この難しさこそが、現代のレジリエンス教育の課題なのかもしれません。
ということで、レジリエンス教育について書きました。次回は、「失敗や負ける経験が減った社会」が子どもたちのストレス耐性にどのような影響を与えているのかについて考えてみたいと思います。

