修正液でブラウン運動を観察する

今回は、身近なもので分子間運動(ブラウン運動)を観察する方法です。

修正液でブラウン運動を観察する

ブラウン運動という現象をご存知でしょうか?
ブラウン運動とは、液体のような溶媒中に浮遊する微粒子(例:コロイド)が、不規則に運動する現象である。1827年(1828年という記述もあり)、ロバート・ブラウンが、水の浸透圧で破裂した花粉から水中に流出し浮遊した微粒子を、顕微鏡下で観察中に発見し、論文「植物の花粉に含まれている微粒子について」で発表した。
この現象は長い間原因が不明のままであったが、1905年、アインシュタインにより、熱運動する媒質の分子の不規則な衝突によって引き起こされているという論文が発表された。
この論文により当時不確かだった原子
および分子の存在が、実験的において証明出来る可能性が示された。後にこれは実験的に検証され、原子や分子が確かに実在することが確認された。」wikipediaより抜粋
現代化学の基本概念である、原子や分子の存在を証明することに大きく貢献した現象です。そしてこの現象は学校にある機材で簡単に観察することができます。
用意するのは修正液だけ。
スライドガラスにパンチで穴を開けたビニールテープを貼り、穴の部分に修正液を水で薄めたものに滴下して顕微鏡で観察します。
これは600倍で観察した修正液です。細かい粒子が不規則に運動していることがわかります。ブラウン運動です。アボガドロ定数は、このブラウン運動を元に計算して今の6.02×10^23という数字が出されたそうです。そんなすごい現象を簡単に観察できるなんてすごいことです。修正液のほか墨汁でも観察できるそうです。ぜひ、学校で観察してみてください。
窪田 一志

1986年生まれ、近畿大学農学部卒業、学びエイド認定鉄人講師、理科コア・サイエンス・ティーチャー(CST)養成課程修了、MIE(Microsoft Innovative Educator 2022)取得、Apple Teacher 家庭教師、個別指導、塾講師を経て、神奈川県で5年間中学校理科教師として勤務。現在は大阪府の公立中学校で理科の楽しさを子どもたちに伝えるため日々奮闘中。 教材や教具、デジタル教材の開発、効果的なICT機器の活用方法、カードゲームや問題解決を通してのコミュニケーション能力の育成など自らの実践に基づいた教育活動を展開中。 ブログのアクセス数は月10万pvを超え、中学理科の授業情報をまとめた書籍「100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100」を明治図書から出版。また、ブログがアプリ化されるなど勢いのある教育研究者 兼 教育実践者。 先生向け情報サイト「ふたばのブログ」の他、反転学習や、家庭学習に利用できるオンライン学習サイト「ふたば塾」、中学理科の授業動画を中心としたYoutubeチャンネル「ふたば塾」を運営。 記事執筆、研修・講演依頼、書籍化についてはお問い合わせフォームからお願いします。 【著書】 100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100[明治図書出版] 授業力&学級経営力2023年12月号(記事執筆)[明治図書出版] 【協力実績】 株式会社 NHKエデュケーショナル 国立科学博物館 株式会社Gakken 日本テレビ「クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?」 株式会社 朝日新聞社 企画事業本部文化事業部 株式会社 高純度化学研究所 株式会社 アスウム 株式会社 学映システム 株式会社リバネス(教育応援VOL55) 株式会社ジヤトコ 富山県教育委員会「とやま科学オリンピック」 東京学芸大学 理科教育学分野 高知大学教育学部附属小学校 横須賀市立浦賀中学校 田尻町立中学校 順不同 Apple Teacher MIE(Microsoft Innovative Educator)

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