天王寺動物園で骨格について学んできました。今回は天王寺動物園の肉食動物について紹介していきますよー。
肉食動物の頭骨
ガオー!
鋭い犬歯です。噛まれたらひとたまりもありません。
こちらは臼歯。臼歯とは名ばかりの臼ではなく、トゲトゲした歯。肉を切り裂くのに使います。
顎には大人の男の腕がスッポリ入るぐらいの筋肉があります。こんな恐ろしい動物といえば。
そう、ライオンです。
身体は大きいですが、ネコ科だけあって、行動は猫です。上の画像はメスライオンにちょっかいをかけて怒られているところ。百獣の王ライオンも女性にはタジタジですね。
ライオンはネコ科では珍しく群れを作る生き物です。オスライオンを中心としたプライドと呼ばれる群れを作ります。狩や子育てなどの仕事もは全てメスライオンが行います。オスは気楽でいいなぁ・・・なんてことも言ってられません。一度他のオスがやってきたら戦って自分の群れを守らなければなりません。戦いに負けてしまうと群れを追い出され一人ぼっちに、奥さんや子どもは全て次のオスライオンに奪われてしまうのです。オスライオンはもともと狩りは苦手な部類。一人で生きるにはどうすればいいでしょうか?
狩りの苦手なライオンが生き残る方法
そのヒントがこの生き物
ブチハイエナの愛ちゃんです。ハイエナといえばライオンキングの悪役です。なぜこのような悪役のイメージごついてしまったのか?
それは、サバンナで上の写真のような光景がよく目撃されるからです。エサを食べるライオンとそれを恨めしそうに見るハイエナ。ハイエナがライオンのおこぼれを狙っているように見えます。でも実際は
そう、横取りしていたのはライオンだったんです。
ハイエナはライオンに比べて狩がとても上手です。お尻を落としたボディライン。体力を温存することができます。スタミナがあり、獲物をどこまでも追いかけて弱ったところを群れで一斉に襲いかかります。この狩りのイメージも、ハイエナが悪役になってしまった1つの要因ですね。ライオンにとっては、一人で狩りをするよりもハイエナの獲物を横取りする方が楽なんです。苦労して手に入れた動物をライオンに横取りされて、恨めしそうにみているハイエナ・・・なんだか可哀想に思えてきました。
みてください。このつぶらな瞳。
でも、野生は可哀想なんて甘ったれた世界ではありません。弱肉強食なのです。
隠れハイエナファンになりました。
とはいえ、ハイエナがライオンの肉を奪うこともあるようです。ライバル関係にあるんですね。野生にはどっちがいいとかどっちが悪いとかはありません。生き残った方が勝ちなんですね。
ライオンの頭骨。怖すぎます。
犬歯はハサミのようにテコの原理で肉を食いちぎれるようになっています。
顎関節はシマウマと違って上下にしか開きません。力を逃さないようになっています。
シマウマを狩るライオンの図
(頭骨バージョン)