中学三年生、天体は実験を行うのが難しい単元です。また、日頃から星を見ている子どもたちなら、既存の知識や疑問も持ち合わせていますが、そういう子どもたちは年々少なくなっているように感じます。そんな子どもたちに天体を理解させるにはICT機器とモデルによる実験が必要不可欠だと思います。今回はモデルを使った月と金星の満ち欠けについて書いていきます。
月の満ち欠けと金星の満ち欠け
上の写真は発泡スチロールの球を黄色く塗ったものです。この球に竹ひごを刺すだけで簡易の月モデルになります。部屋を暗くして光源を用意すると、
このように月の満ち欠けモデルとして使えます。これは満月です。自分を地球と考えて反時計回りに回っていく(自転していく)と
上弦の月(半月)
新月。この場合は光源がちょうど月モデルの裏にあるので日食のモデルでもあります。この時周りの人に自分の顔を見てもらうと顔の一部に月モデルの影ができています。日食が地球の一部で起こるということがわかると思います。
わかりやすいです。月の満ち欠けをこんなにわかりやすくできるなら金星でも同じことができるはずです。そのために作られたのがこちらのマシーンです。
金星観測マシーン
(注)大道芸の道具ではありません
ジャーン♩金星の満ち欠けを身をもって知ることができます。金星の満ち欠けでは大きさも大切です。地球から見て手前の位置にある金星は大きく見え、奥の位置にある金星は小さく見えるというやつです。金星の見かけの大きさを調べるには50円玉(5円玉)を用意します。
50円玉の穴に金星を入れてみると大きさの差がわかりやすくなるんです。
手前の金星では穴とほぼ同じ大きさだったのが
奥の金星では小さくなりました。
モデルを使うと教科書に載せられている知識がすっと染み込んでくるような気持ちになりますね。モデルをうまく活用して授業に取り組んでみてください。
(ICT機器の効果的な星の見せ方)
これは指導主事の先生から教えてもらった技です。プロジェクターで星空を映します。
ただしこの時、教室の電気はつけておきます。(ここがミソ!)
「夜空にはたくさんの星があります。でも、人の家の明かりの影響で見えている星はわずかです。人の明かりを消すと・・・」
と言って教室の電気をおもむろに消すと・・・
先ほどまでくすんでいた星空の映像が満天の星空になります。
※上と下の映像は同じ写真を投影したものです。
見せ方が大切だと感じました。