今回は様々な植物を切り花染色液をつけて道管を染色し、その観察結果について書いていきたいと思います。
様々な植物の道管の観察
切り花染色液「ファンタジー」
道管の観察には切り花染色液がおすすめです。種類によっては数分で染まりはじめるので、実験にうってつけです。今回はファンタジーと呼ばれる切り花染色液を使いました。身近な野菜から道管の不思議について迫っていきたいと思います。
①ダイコン
かいわれ大根です。
かいわれ大根の根を見たことがありますか?主根から出ている側根が左右に綺麗に分かれているんです。
そのため大根も染色液で道管をそめると断面に横一文字に染色液のスジが入るそうです。おもしろい!
ちなみに人参はクロスして4つの場所から水を吸い上げます。
染色液に浸したダイコン。
ダイコンの断面
側根から内部に向けて染色液を吸っているのがわかります。
縦に切ったところ
根毛と側根。すごく綺麗です。
ちなみにニンジンは4方向にクロスしています。
②セロリ
双子葉類代表のセロリ。とにかく観察しやすいです。上の写真は茎の断面。維管束が規則正しく並んでいます。
縦に切ったところ。
茎の断面(顕微鏡)
維管束、木部と師部にわかれています。
セロリの茎を縦断したもの
道管だけ色が変わっています。拡大してみると・・・
すごい!道管が螺旋状になっています。環状道管というそうです。
こちらはセロリの葉です。葉の先までしっかりと染色液が行き渡っています。実験に使うにはおすすめの植物ですね。
③アスパラ
アスパラの断面
維管束がバラバラになっています。
染色液で染色したもの。
アスパラの維管束
赤く染まっているのが道管。その内側が師管になります。
縦断したアスパラの茎。道管がしっかり見えます。
④レンコン
レンコンです。染色液でそめたところ。レンコンにはホコリのような根があります。
レンコンの道管。螺旋状になっているのがわかります。
レンコンを折ったときにでてくるラセン糸。道管内壁のラセン紋をつくる繊維が引き伸ばされてでてきたものです。
⑤タマネギ
植物細胞の観察でおなじみのタマネギです。
染色液は外側に広がるようにして吸収していきます。
スジがはいっています。吸収している証拠ですね。
タマネギの側面にかすかにピンク色の穴が見えますか?それが道管です。
顕微鏡で観察したところ。
とても綺麗に維管束が見えます。
タマネギを縦に薄くとったもの。
螺旋糸がみえます。
道管が綺麗に染色液でそまっています。
ちゃんと螺旋状ですね。
ということで様々な植物の道管についてでした。身近なもののなかにも、ちゃんと道管や師管があることがわかりました。勉強になりました。