中学3年生で中和について教えます。モデルを用いたり、工夫をしえ教えられると思います。しかし、目に見えない粒子が本当にそのように動いているのかは子どもには半信半疑です。覚えろというのも無理がある。ということで、今回は塩酸と水酸化ナトリウムこ中和による反応を実験で確かめる方法をお伝えします。
中和の証明実験
【塩酸と水酸化ナトリウムの中和の化学反応式】
HCl+NaOH → NaCl→+H2O
①塩が発生しているか確認する
教科書にも載っている実験です。ただし、塩酸と水酸化ナトリウムの濃度が薄いとなかなか塩を観察することはできません。今回は、1mol/lの塩酸と水酸化ナトリウムを中和させました。しかし、濃度が高ければ高いほど中性を作るのは難しいです。1mol/lの塩酸と水酸化ナトリウムとは別に0.1mol/l(場合によっては0.01mol/lも)の塩酸と水酸化ナトリウムを用意しておくと中性を作りやすいです。(中性にしなくても塩は見えますが、生徒が理解しやすいように中性で塩を確認させたいです。)
中和させた液体。BTB溶液で中性になっています。やられたことがある先生なら、この液体を作る苦労がわかると思います。塩酸と水酸化ナトリウムを何回も入れて作りました。
この液体を一滴スライドガラスにとります。
自然乾燥の方が粒の大きな結晶が見えますが、今回は時間の関係でドライヤーで乾かしました。
白い結晶が見えます。
顕微鏡で覗くと白い立方体の塩の結晶をみることができます。
HCl+NaOH → NaCl→+H2O
下線のところです。
塩化ナトリウムが発生していることがわかりました。
つぎは、中和によって「水(H2O)」が発生していることを調べる実験です。
②中和によって水が発生することを調べる実験
中和によって水が発生しているのかどうやって調べるのか?そのためには、水を使わずに中和させる必要があります。そのためにつかうのが無水酢酸(
)です。
「無水」とついてあるのが子どもにはわかりやすくていいと思いました。
アルカリとして、水酸化ナトリウムの粒を使います。
【無水酢酸と水酸化ナトリウムの中和】
(CH3CO)2O+ 2NaOH → 2CH3COONa + H2O
中和によって水(H2O)が発生しているはず。調べるために
硫酸銅(II)をつかいます。硫酸銅(II)は水に反応すると水和物になって青色になります。反応が進むと
白色だった液体が
青色になりました。
水が発生していることがわかりました。
ということで中和で塩と水が発生していることがわかる実験でした。