今回は高校化学の範囲です。気体の拡散について学ぶことのできる実験です。
塩化水素とアンモニアの反応からみる気体の拡散
水平においたガラス管の両端に脱脂綿を置き、それぞれ塩化水素とアンモニアで湿らせます。ゴム栓をして管内を観察すると気体の拡散(分子運動)を観察することができます。塩化水素とアンモニアが反応すると塩化アンモニウムが白煙となって発生します。
化学反応式 HCl+NH3→NH4Cl
さて、ガラス管のどの部分で反応が起こるでしょうか?
実験動画
この動画では、ガラス管内にPH試験紙をいれてあるのでよりわかりやすいです。
塩化水素側で白煙が起こっているのがわかるでしょうか?なぜ中央部ではないのか?分子運動には分子量が関わってきます。アンモニアの分子量は17、塩化水素の分子量は36.5です。同じ温度では、分子量の軽いアンモニアの方が塩化水素に比べて速く進みます。そのため、塩化水素側で白煙が起こるのです。よくみると気体がぶつかり会うときに温暖前線のようにアンモニアが塩化水素に登って前線をつくるのも観察できます。面白いですね。高校の範囲になりますが、こういう知識を中学校の先生が知っておくことで深みのある授業ができると感じました。