梅干しから塩を分離する実験

以前醤油から塩を取り出す実験を紹介しましたが、今回は梅干しから塩を取り出す実験です。授業ではパフォーマンステストとして使えそうです。それでは早速やってみましょう。

梅干しから塩を取り出す

準備物

梅干しと

ガスバーナー、ビーカー、ロウト、三脚、ペトリ皿、マッチなどなどです。

水に溶かして濾しとる

塩を水に溶かして濾しとってみようとしました。

少量の水を入れて梅干しをつぶします。

ろ過してみました。

ピンク色の液体が採取できました。これを加熱すれば梅塩がとれるのでは?

加熱すること数分・・・

失敗です。梅に含まれる有機物が焦げてしまいました。他の方法を考えてみます。

塩以外を炭化させる

塩化ナトリウムは無機物のため加熱しても炭化することはありません。この性質を利用して塩を取り出してみようと思います。

まずは梅干しを加熱します。

下からではらちがあかないので直接過熱しました。

水分が多く、何回か梅干しを広げながら何回も過熱しました。

もはや梅干しの面影はありません。この中でも塩は炭化せず残っているはずです。

少量の水の中に入れてガラス棒ですりつぶしました。

有機物は炭に、無機物(塩)は水に溶け込んだはずです。これをろ過していきます。

この液体を加熱します。

水分を全て飛ばしました。

中をのぞいてみると・・・

白い結晶が見えました。顕微鏡で見てみます。

顕微鏡で観察

少しわかりにくいですが、立方体の結晶が見えます。

きれいです。有機物、無機物、水に溶ける物質、溶けない物質、ろ過、ガスバーナー、などなどいろいろな技能を使いました。科学的な問題解決能力を養える「梅干しから塩を取り出す実験」。一度やってみてはいかがでしょうか。

醤油から塩を取り出す実験についてはこちらからどうぞ

窪田 一志

1986年生まれ、近畿大学農学部卒業、学びエイド認定鉄人講師、理科コア・サイエンス・ティーチャー(CST)養成課程修了、MIE(Microsoft Innovative Educator 2022)取得、Apple Teacher 家庭教師、個別指導、塾講師を経て、神奈川県で5年間中学校理科教師として勤務。現在は大阪府の公立中学校で理科の楽しさを子どもたちに伝えるため日々奮闘中。 教材や教具、デジタル教材の開発、効果的なICT機器の活用方法、カードゲームや問題解決を通してのコミュニケーション能力の育成など自らの実践に基づいた教育活動を展開中。 ブログのアクセス数は月10万pvを超え、中学理科の授業情報をまとめた書籍「100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100」を明治図書から出版。また、ブログがアプリ化されるなど勢いのある教育研究者 兼 教育実践者。 先生向け情報サイト「ふたばのブログ」の他、反転学習や、家庭学習に利用できるオンライン学習サイト「ふたば塾」、中学理科の授業動画を中心としたYoutubeチャンネル「ふたば塾」を運営。 記事執筆、研修・講演依頼、書籍化についてはお問い合わせフォームからお願いします。 【著書】 100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100[明治図書出版] 授業力&学級経営力2023年12月号(記事執筆)[明治図書出版] 【協力実績】 株式会社 NHKエデュケーショナル 国立科学博物館 株式会社Gakken 日本テレビ「クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?」 株式会社 朝日新聞社 企画事業本部文化事業部 株式会社 高純度化学研究所 株式会社 アスウム 株式会社 学映システム 株式会社リバネス(教育応援VOL55) 株式会社ジヤトコ 富山県教育委員会「とやま科学オリンピック」 東京学芸大学 理科教育学分野 高知大学教育学部附属小学校 横須賀市立浦賀中学校 田尻町立中学校 順不同 Apple Teacher MIE(Microsoft Innovative Educator)