ふたばのブログの姉妹サイト「ふたば塾」のコンテンツには、5分で中学理科の重要語句について解説している学習動画があります。宿題や反転学習に利用してもらいたいと思って制作したのですが、インターネット上の多くの学習動画にはある共通の問題点があることに気づきました。
ネット上の学習動画の問題点、それは多くの学習動画が「YouTube動画を利用している」という点です。学習サイトに動画があったとしても、多くの場合、動画のデータをYouTube経由で見ている形になっているんです。では、なぜそれが問題なのか?それは
多くの自治体で生徒用タブレットPCでのYouTube視聴が制限されているから
せっかく多額の税金をつぎ込んで導入したタブレットPCなのに、はいちさんやtry it、ヨビノリなど多くの学習に有益な動画が無料で見られるYouTubeが見れないなんて・・・。確かにYouTubeで学習に関係ない動画を見るかもしれません。未成年には過激な動画もあると思います。でも、ほとんどの生徒が自分専用のスマホをもっている今、その制限に本当に意味があるんでしょうか?「何か問題が起こったら困るから、とりあえず全部禁止にしておこう」といった大人の事情のような気がしてしまいます。でも、教師を責めないでください。それでなくても多忙な上、これ以上トラブルを増やしたくないのは当たり前です。「タブレットによるトラブルは自己責任で。」と言えない公教育の難しさだと思います。
しかし、このような問題は別に子どもに限ったことではありません。実は教師用パソコンですらYouTubeの視聴が制限されているのが現在の教育界の現状なのです。これについては「東洋経済education×ICT編集部」さんの記事『先生は「YouTubeすらアクセスできない」は本当か』を読んでいただきたいです。なんか悲しくなってしまいますね。コロナ禍において、オンライン授業を始めとしたiCT機器の活用において公立学校と私立学校の差が浮き彫りになりました。これは、公立学校の先生に活用能力がないのではなく、ICT機器の制限が厳しすぎるのが原因の一つになっているのではないでしょうか?
スタディサプリやclacciなどを導入する公立学校が増えています。家庭でもスマイルゼミなどのict教育が進んでいます。これらのict機器を活用した教育方法の大きな利点はAIを用いて個に応じた学習課題が選択可能な点です。公教育でもict機器を取り入れた授業はありますが、「個に応じた」となると公平性などの問題があり実際に運用されているのはごくわずかです。公教育の難しさを感じる場面です。しかし、今後必要とされるのは間違いなく「個に応じた教育」です。ダイバーシティをこれだけ重要視している教育業界ですが、「個に応じた課題を出すと、定期テストで不公平になるかも・・・」といった理由で一歩を踏み出せない・・・。このままでは授業を教育サービスに取って代わられてしまいそうな気がします。この先、教師は何をするんでしょうか?最近は「未来の教師はファシリテーターなのよ。」といった話を聞きます。うーん、言ってることは分かるけど・・・(ーー;)昔から教師には今で言うファシリテーターの役割をもってました。流行りみたいに「ファシリテーター」という言葉がひとり歩きしている状況をみると、いつかの「アクティブラーニング」を思い出します。「これからはファシリテーターだ!」なんて言われても「はぁ?」って感じです😑ファシリテーターという耳触りのいい言葉を拡大解釈した人の影響で、多忙な教師にこれ以上雑務が増えていくことがないように祈ります。
話が長くなってしまいました(^_^;)ということで、ふたば塾の学習動画にYouTube制限対応版をつくりました。