アンパンマンを知らない子どもはいません。アンパンマンが嫌いな子どももいません。だったら、授業で使うしかない!ということで、いろいろ調べて「あんぱんまんの絵本」で道徳をしました。
あんぱんまんで利他のすばらしさと戦争の悲惨さを伝える
初期のあんぱんまんを読んでびっくり。手の指は五本あるし、三頭身です(笑)
アンパンマンは当初、貧困に苦しむ人々を助けるという内容で、未就学児には難しく、編集部や批評家、幼稚園の先生などから酷評された過去があります。しかし、次第に子供たちの間で人気を集め、幼稚園や保育園などからの注文が殺到するようになりました。さすがアンパンマンですね。作者のやなせたかしさんは戦争経験者です。
やなせさんの経験
やなせさんは
「行軍したり、泥だらけになってはい回ったりするのは、一晩寝ればなんとかなる。ところが、飢えはどうしても我慢できない」
「食べられないというのは、ものすごくきついですよ。飢えれば人肉だって食べようという気持ちになるんだから」
と戦時中の飢えの苦しみをコメントしています。また、戦争の経験から正義というものに対しても、
「正義のための戦いなんてどこにもないのだ。正義は或る日突然逆転する。正義は信じがたい」
「逆転しない正義とは献身と愛だ。それも決して大げさなことではなく、眼の前で餓死しそうな人がいるとすれば、その人に一片のパンを与えること」
「困っている人、飢えている人に食べ物を差し出す行為は、立場が変わっても国が違っても「正しいこと」には変わりません。絶対的な正義なのです」
やなせさんの中で絶対的な正義が目の前で飢えている人に食べ物を与えることだったのです。深いですね。
この本のあとがきにも
「本当の正義とは決して格好いいものではなくむしろ自分も深く傷つくものそういう捨身、献身の心なくしては正義は行えない
だからこそアンパンマンはボロボロのマントを着て自分を食べさせることによって飢える人を救うのだ」
と書かれています。
なぜアンパンマンはこんなにもたくさんの人から愛されるのか?それは献身と自己犠牲にあると思います。
改めて絵本の読み聞かせを行い、やなせさんの過去と共に、アンパンマンの魅力について再度子どもたちに考えさせたいものです。
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