演示用のこんな大きいものもあります。
「てぇいっ!」
はく検電器はとても思考を深めることのできる実験器具です。静電気が起こっていることだけ調べて終わってしまっては勿体無い。今回ははく検電器の実験について書いていきます。
①静電気をはく検電器に近づける
塩ビパイプなどを布やティッシュで擦って静電気を起こしてはく検電器の金属板に近づけると・・・
はくが反発しあって開きます。
布と塩ビパイプを摩擦させると、電子の移動(静電移動)して布がプラス、塩ビパイプがマイナスに帯電します。塩ビパイプをはく検電器に近づけると、金属板とはくに均等に散らばっていた電子が塩ビパイプほマイナスの電気に反発してはくの方に移動します。すると、はく通しが同じマイナスの電荷をもつことになるのでは
くが開くのです。 帯電した物質を遠ざけると電子は元の均等な状態に戻ります。
中学にやらせる時も仕組みを文章化させると理解が深まります。やらせてみて下さい。意外と大人でも難しいです。
②はく検電器に触る
何度か静電気の実験をしているとはく検電器が開いたままになってしまうときがあります。そんなときははく検電器の金属板を触ります。
はくが閉じました。
はくが開きっぱなしになるのは、静電気の実験をしていく中で、電子が移動してしまい金属板とはく検電器の内部の電荷が一方に傾いてしまったからです。しかし、この状態は物質としては不安定な状態のため、金属板に触ると、体を通って電子が外に逃げます。すると電気的に中性になって箔が閉じるのです。
面白いです。
③塩ビパイプを離すとはく検電器が開く
①、②が理解できたかを子どもたちに確認して、全員が理解できたら、下のような問題を出します。
「塩ビパイプを帯電させてはく検電器に近づけます。はくが開きます。この状態で金属板を触ると何が起こるでしょうか?」
深い問ですね。上の2つを本当の意味で理解できていないと解けない問題です。
十分に考える時間をとり、各班で予想を立てさせてから実験を行います。
実験結果
金属板を触ると開いていたはく検電器が閉じる。塩ビパイプを離すとはく検電器が開く。
意外な結果に子どもたちは驚きます。
はくが開いた状態(電気的に不安定な状態)で人が触れることで、電子が逃げ、はく検電器は電気的に安定な状態になります。しかし、これは、マイナスに帯電した塩ビパイプが近くにある状態で安定なだけ。塩ビパイプを遠ざけるとふたたび電気的に不安定な状態に逆戻りするのです。
同じ仕組みで科学手品をすることができます。
用意するもの
下敷き、アルミ板(絶縁体(プラスチックの棒付き))、布
実験方法
はじめに下敷きを布で擦ってからアルミ板を下敷きの上に載せます。この状態でアルミ板をはく検電器に近づけても何も起こりません。しかし、魔法をかけると・・・
はくが全開まで開きました。
・・・何が起こったのでしょうか?よく動画を見てもらうとその仕組みがわかります。
そう、アルミ板に触れるのがこの実験最大のポイント。帯電した下敷きの上に置いた状態でアルミ板に触れることでアルミ板を電気的に不安定な状態(帯電した状態)にしていたんです。面白いですね。
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