彼は1匹しかマウスがいないという環境に疑問を感じました。「マウス孤独なのかもしれない」考え、環境を変えてからもう一度実験をしました。広い芝生、遊び遊具、さらに友達、恋人となるような他のマウスをゲージの中に入れました。すると、同じように2種類の水を設置しても、彼らは普通の水を選んで飲むようになったそうです。不思議ですね。実はこれと同じような現象が人間でも確認されています。
ベトナム戦争で麻薬を使用していたアメリカ人兵士の割合は全体の20%ほどでした。終戦後に中毒患者が増えると考えられていましたが、調査をしてもそのような事実はなく、95%の兵士がが薬物の使用を絶っていたそうです。
これらの実験や事実から推測されること。それは薬物依存の原因は薬物そのものではなく、精神的なストレスにあるというものです。
薬物に手を出した人は社会的に罰せられ、独房の中で孤独と向き合うことになります。しかし、これは薬物中毒者にとって逆効果であると説明されています。
清原選手も薬物で逮捕される前にブログで「離婚してからなかなか子どもに会えない辛さ」「一人で過ごす日々の寂しさ」をつづっていたそうです。薬物は確かにだめですが、なんか悲しい気持ちになりますね。中毒患者に必要なことは、人との繋がりを持たせることだそうです。考えてみれば、薬物依存の更生プログラムに、「依存者が円のように座りお互いの成り行きを語り合う」というものがありますが、まさしく、人との繋がりを持たせる効果があると感じました。
人との繋がりが一番大切なのは何も薬物依存にとってだけではありません。多くの犯罪行為や反社会的な行動起こす人は孤独なのだと思います。宗教というものがこれだけ人間社会に根付いてきたのも、人の中に「孤独感」があったからだと思います。人と繋がるためには何よりも、相手の気持ちを考えられる「想像力」が必要です。学校でもエンカウンターなどの手法をとりいれこのような力をつける取り組みはありますが、時間が確保されているわけではありません。思春期で多感な中学生にこそこのような人との繋がりを感じさせる時間が多く必要だと感じました。