ペットボトルの転がる速度。水と氷ではどっちが速い?

ペットボトルに同量の水を入れて、水と氷ではどちらの方が転がる速度が大きいか調べました。

ペットボトルの転がる速度。水と氷ではどっちが速い?



水は質量で同じ量にしているので、氷のペットボトルの方が体積が大きいことがわかります。
子どもにやらせるときは、予測を立てて、その理由を説明させると科学的な思考力を養えると思います。
各自で予測を立てさせてグループで話合わせてから実験開始です。
まず、手の上で転がしてみます。予測したイメージは当たっているでしょうか?
次に一つづつ斜面を転がしてみます。

ここで、再度考えさせる時間を取ります。十分に思考時間を取ってから比較実験開始。
コロコロコロコロコロー

【結果】

水の方が速い
 
意外な結果ではないでしょうか?硬い方が、速く転がるイメージでした。回転モーメントの関係でこのような結果になります。転がっているペットボトルをよく観察すると、水の入ったペットボトルは、中の水が慣性力で動かず、氷は回転します。この違いが回転に必要なエネルギーの差に繋がるため、転がる速度の差となったのです。回転にもエネルギーがいるということがわかりました。野球で、同じ速度のボールでもバッターには「軽いボール」と「重いボール」に分けられるといいますが、これもボールの回転の影響です。回転しているボールはエネルギー量が大きいため、バッターで捉えたときは、反発力が高まるのです。江川選手はピッチャーとして、速いボールを投げていましたが、打たれるときはホームランが多かったそうです。また、位置エネルギーと運動エネルギーの変換実験でふりこを使うのは、ふりこの球が回転しないからなんです。
回転の力は侮れないということがわかる実験でした。
 
窪田 一志

1986年生まれ、近畿大学農学部卒業、学びエイド認定鉄人講師、理科コア・サイエンス・ティーチャー(CST)養成課程修了、MIE(Microsoft Innovative Educator 2022)取得、Apple Teacher 家庭教師、個別指導、塾講師を経て、神奈川県で5年間中学校理科教師として勤務。現在は大阪府の公立中学校で理科の楽しさを子どもたちに伝えるため日々奮闘中。 教材や教具、デジタル教材の開発、効果的なICT機器の活用方法、カードゲームや問題解決を通してのコミュニケーション能力の育成など自らの実践に基づいた教育活動を展開中。 ブログのアクセス数は月10万pvを超え、中学理科の授業情報をまとめた書籍「100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100」を明治図書から出版。また、ブログがアプリ化されるなど勢いのある教育研究者 兼 教育実践者。 先生向け情報サイト「ふたばのブログ」の他、反転学習や、家庭学習に利用できるオンライン学習サイト「ふたば塾」、中学理科の授業動画を中心としたYoutubeチャンネル「ふたば塾」を運営。 記事執筆、研修・講演依頼、書籍化についてはお問い合わせフォームからお願いします。 【著書】 100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100[明治図書出版] 授業力&学級経営力2023年12月号(記事執筆)[明治図書出版] 【協力実績】 株式会社 NHKエデュケーショナル 国立科学博物館 株式会社Gakken 日本テレビ「クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?」 株式会社 朝日新聞社 企画事業本部文化事業部 株式会社 高純度化学研究所 株式会社 アスウム 株式会社 学映システム 株式会社リバネス(教育応援VOL55) 株式会社ジヤトコ 富山県教育委員会「とやま科学オリンピック」 東京学芸大学 理科教育学分野 高知大学教育学部附属小学校 横須賀市立浦賀中学校 田尻町立中学校 順不同 Apple Teacher MIE(Microsoft Innovative Educator)

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