研修でミニアクリル水槽を作りました。簡単につくり方を説明します。
ミニアクリル水槽を手作り♩
アクリル工作は、理科の授業でもさまざまなことに応用できそうです。
アクリル板でミニ水槽を作る方法
まずは、アクリル板を用意します。アクリル板には値段が安く、加工方法がしやすい押出し版を使用しました。キャスト板と呼ばれるアクリル板もあります。こちらは硬くて薬品へも強いですが高価です。加工もしにくいのでちょっとしたものを作るときは押し出し版を使用するのがいいと思います。
アクリル板を切る方法
アクリル板をカットします。写真のようなアクリルカッターを使います。
鋼尺をつかって切ります。アクリル板の厚さも計算に入れて、サイズに少し余裕をもたせます。
最後までしっかりと削ります。
ある程度切れ目をいれたら、机の端に置いてゆっくりと力をかけます。
「バキッ」という音とともにアクリルの板が綺麗に割れます。
この時でた切りくずは後で使うので置いておいてください。
アクリルの水槽の型板ができました。
さらにカットしていきます。
150mm×300mm×50mm(縦×横×奥行)の水槽をつくります。
必要なアクリル板は、
150mm×350mmを一枚
150mm×7mmを二枚(アクリル板の厚み分2mm接着面をとります)
まず、アクリルカッターの背側と紙やすりでアクリル板の側面を削ります。断面を綺麗にしておかないと、水漏れの原因になるので丁寧にやりましょう。
アクリル板を曲げる方法
アクリル板を曲げる装置
写真は、アクリル板を曲げるために熱を加える装置です。
台の真ん中に二クロム線が張ってあります。ニクロム線は台よりも少し下にあるのでアクリル板に直接つくことはありません。
アクリル板の折り曲げ方
まず、谷折りになるほうから熱を加えます。30秒程度でアクリル板が柔らかくなってきたら
山折りになる方を熱します。十分に熱したら
ていっ!
と机の縁などで直角に折り曲げます。
この要領でアクリル板を折り曲げていきます。
水槽の前面と背面ができました。
良い感じです。
つぎに側面をつけていきます。
側面部を下にして、接合したいところに配置します。
アクリルの歪みを修正する(内側への歪み)
・・・すこし内側にそってしまっています。
こんなときは、角材や木板で幅を広げます。
接合させる場所が決まったら重りをのせて固定します。
外側にそってしまったときは、デスククランプを使います。
↑外側にそったのを直します。
接着する方法
接着には1,2ジクロロエタンと接着剤用注射器を使用します。1,2ジクロロエタンはアクリルを溶かす薬品です。
注射器にジクロロエタンをとり
注射器を接合面に添うようにして、ジクロロエタンを注射します。少量で接合面に一気に広がります。水に比べて張力が弱いため、出し過ぎに注意してください。10分程度で固まります。うまく接合できたら接合面が透明になります。
確認
完成〜♩水を入れて漏れていないか確認します。
漏れていた場合
取っておいたアクリルの削りカスを使います。削りカスを時計皿にとってジクロロエタンを入れて混ぜ合わせてます。少しするとアクリルが溶けて接着剤ができます。
水が漏れている部分に竹串で接着剤をつけます。(注射器に入れちゃうと中で固まって注射器がパーになっちゃいますよ〜)
固まったら再度水を入れて、漏れがないかを確認します。
ということでアクリル板を加工した水槽の作り方でした。DIY(Do It Yourself)が流行っていますが、自分でつくれると、サイズや形など自由に作れるのがいいですね。道具に愛情ももてます。理科に関しても、メダカ水槽やアリの観察水槽、プリズムレンズなど色々な使い道が思いつきます。
アクリル工作応用編
↑アクリル板で作ったプリズムレンズ
ビンのカーブを利用して作ったレンズ型水槽。
水を入れると凸レンズの実験ができます。
逆に、凸レンズ以外の部分を水で満たすと形は凸レンズですが、凹レンズのように光が広がるんです。面白いですね。
とてもいい経験ができました。次は何を作ろうか今から楽しみです。