レンズの実験は一年生の中で最も難しい実験だと思います。
光の性質、レンズの性質、像のでき方、などそれぞれをきちんと理解しないといけません。また、授業では作図など問題を解く方法に時間を割きがちです。作図ができて、問題が解けていても、像についてはっきりと理解できている生徒は少ないのではないでしょうか?
実験と理論を繋げるのが授業の役目です。そんなレンズの実験にピッタリな実験装置が今回紹介する「アーテックのレンズの性質実験セット」です。
今までのような大きく重い装置ではありません。
素材は紙なので、千円以下と値段も安いです。4人班や2人班など実験人数を減らしていく流れです。低価格なのはとてもありがたいです。
何より安全なのが一番です。ロウソクを使っていた時代がありましたが、火の扱いになれない今の子どもたちには危なすぎます。ロウがとけることを知らない生徒もいました(笑)←笑い事ではないですね。小学校で教えているはずでは!?実験では、実像が物体に対して上下左右逆なことを確かめられるように「あ」という文字を書きました。
紙の上には、ロウソクを置く位置がマークされています。まずは、基準となる焦点距離の二倍から調べさせます。
スクリーンには丁寧にロウソク(ランプ)の火の大きさが記されています。同じ大きさ担っていることがわかります。「あ」が上下左右逆になっていることも確認させます。
像は小さくなり、スクリーンの位置はレンズに近くなります。
像は大きくなり、スクリーンの位置はレンズから遠くなります。
スクリーンに像は写りません。このポイントで像が写らない理由を作図で確認したときに、子どもの頭の中で作図と実験が繋がるように感じます。
この「焦点距離よりも近い位置」があるせいで、像についての学習がとても複雑になっているような気がします。虚像で正立と言われても、スクリーンに映る像とは全く異なるものです。実像は実像、虚像は虚像と分けて教える(実験もわける)方がいいと思います。
塾に行き、光の単元についてすべて学び終わっている生徒がいました。その生徒が実験で光学台を使ったときに、「そういうことか!」と叫んでいたのが思い出されます。
実験と学習内容が生徒の頭の中で繋がらないと何のための実験かわかりません。実験が作業になってしまっている授業もよく見受けられます。学びに繋がる実験を行っていきましょう。