アクティブラーニングって何?

最近、教育界で「アクティブラーニング」(active learningの頭文字をとってALで表すこともある)という言葉が注目を浴びているのはご存知だと思います。なぜ、急にアクティブラーニングが注目されたのでしょうか?今回はアクティブラーニングについて書いていきたいと思います。

アクティブラーニングとは

出典:大阪 学び合い・アクティブラーニング研究会
https://senseiportal.com/events/31387
アクティブラーニングという言葉が広まった理由は、平成26年11月20日に、文部科学大臣から中央教育審議会に提出された「初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について」という諮問文に「アクティブラーニング」という言葉が4か所も掲載されたからです。これにより一気に「アクティブラーニング」という言葉が注目され、中学校や高校(特に研究授業)で「アクティブラーニング」が叫ばれるようになってきたのです。では、そもそもアクティブラーニングとは何なのでしょうか。文部科学省の発表しているアクティブラーニングの定義は、
「教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称。学修者が能動的に学習することによって、認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る。発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習等が含まれるが、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループワーク等も有効なアクティブラーニングの方法である。」 とあります。一教師として知りたいのは具体的に何をすればよいかですが、具体的にあげられているのは「発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習 等」。等が入っているということは、これらを含めた様々な教授・学習法の総称ということになります。では、なんでもかんでもアクティブラーニングになるのかというとそうではありません。文部科学省の文に「学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称」とあることから、学修者が能動的に学修への参加していなければなりません。また、「認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る」とあるので、これらの能力を一つではなく汎用的能力として育成しなければならないのです。逆にいうと発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習、グループ・ディスカッション、ディベート、グループワークであっても、学修者が能動的に学修に参加し、かつ認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図ることができなければアクティブラーニングとは言えないということです。・・・こう聞くとすごく難しそうですね。しかし、大学入試がアクティブラーニングを基本としたものに変わっていく今、高校はアクティブラーニングへの授業変換が迫られています。もちろん、高校入試も変わるはずです。今、教育界はアクティブラーニングによって大きな変換点にいるといえるのです。私は一教員としてこれからアクティブラーニングに取り組んでいきたいと考えています。これからブログの中でアクティブラーニングについて
「学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法とは」 「文部科学省が例として挙げる発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習を取り入れた授業とは」 「認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図るとは」 の三つの観点から考えてみたいと思います。アクティブラーニングを勉強しようと思い、何冊か本を読みましたが著者が変われば考え方も大きく変わるようです。アクティブラーニングの定義があいまいで流動的な証拠ですね。 私個人の考えや実践を元としているので、大したことは書けないかもしれません。間違いもあると思います。でも、未知の教授法アクティブラーニングについて一緒に考えていけたらと思っています。意見がありましたら、コメントをお願いします。「学び続ける教師」を目指して、一緒に学んでいきましょう。
※学習ではなく、学修という単語を使っているのは、大学では1時間の授業に対して倍以上の時間を予習と復習にあてることが単位取得の原則になっているからだそうです。アクティブラーニングという言葉自体が、元々一斉が中心の大学の講義の在り方から出てきた言葉だそうです。考えさせられますね。
窪田 一志

1986年生まれ、近畿大学農学部卒業、学びエイド認定鉄人講師、理科コア・サイエンス・ティーチャー(CST)養成課程修了、MIE(Microsoft Innovative Educator 2022)取得、Apple Teacher 家庭教師、個別指導、塾講師を経て、神奈川県で5年間中学校理科教師として勤務。現在は大阪府の公立中学校で理科の楽しさを子どもたちに伝えるため日々奮闘中。 教材や教具、デジタル教材の開発、効果的なICT機器の活用方法、カードゲームや問題解決を通してのコミュニケーション能力の育成など自らの実践に基づいた教育活動を展開中。 ブログのアクセス数は月10万pvを超え、中学理科の授業情報をまとめた書籍「100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100」を明治図書から出版。また、ブログがアプリ化されるなど勢いのある教育研究者 兼 教育実践者。 先生向け情報サイト「ふたばのブログ」の他、反転学習や、家庭学習に利用できるオンライン学習サイト「ふたば塾」、中学理科の授業動画を中心としたYoutubeチャンネル「ふたば塾」を運営。 記事執筆、研修・講演依頼、書籍化についてはお問い合わせフォームからお願いします。 【著書】 100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100[明治図書出版] 授業力&学級経営力2023年12月号(記事執筆)[明治図書出版] 【協力実績】 株式会社 NHKエデュケーショナル 国立科学博物館 株式会社Gakken 日本テレビ「クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?」 株式会社 朝日新聞社 企画事業本部文化事業部 株式会社 高純度化学研究所 株式会社 アスウム 株式会社 学映システム 株式会社リバネス(教育応援VOL55) 株式会社ジヤトコ 富山県教育委員会「とやま科学オリンピック」 東京学芸大学 理科教育学分野 高知大学教育学部附属小学校 横須賀市立浦賀中学校 田尻町立中学校 順不同 Apple Teacher MIE(Microsoft Innovative Educator)