こどもの創造力を広げる「なまえのないえのぐ」

今回紹介するのは、こどもの創造力を育むなまえのないえのぐです。制作を手がけたのは、デザインユニット「いま、もてき」の二人(茂木 彩海さんと今井 祐介さん)です。

なまえのないえのぐ

「無限に広がる色の世界を子供たちに体験してほしい」と製作しました。普通えのぐには「あか」「あお」「みどり」といった色の名前が書いてあります。しかし、このえのぐの色は色の三原色である「赤(マゼンタ)•青(シアン)•黄(イエロー)」の大きさだけで表現されています。このえのぐは小さなこどもに直感的に色の組み合わせを学ばせてくれるのです。

世界をそのまま見るということ

小さなこどもは世界をそのまま見ることができます。あかとかあおとかじゃなくてそのまま見ることができるのです。しかし、大人が
「水は水色で塗りましょう」
と教えてしまうと、本来透明なはずの水を水色だと思うようになるのです。
太陽を赤色で塗るのも同じですね。太陽を赤く塗るのは日本とタイくらいで、世界的に見ると黄色に塗る国が多いようです。
↑虹を7色と数えるのも日本独特
世界をそのまま見ることができるこどもも大人になるにつれてその能力を失っていきます。犬の鳴き声を「ワンワン」と覚えてしまうと「ワンワン」にしか聞こえなくなります。アメリカでは「バウバウ」です。芸術家は世界をそのまま見られる状態で大人になった人だと思います。一般化しないことって大切だと感じます。このえのぐによって世界をそのまま見ることのできる子どもが一人でも増えたら素敵だと思いました。
窪田 一志

1986年生まれ、近畿大学農学部卒業、学びエイド認定鉄人講師、理科コア・サイエンス・ティーチャー(CST)養成課程修了、MIE(Microsoft Innovative Educator 2022)取得、Apple Teacher 家庭教師、個別指導、塾講師を経て、神奈川県で5年間中学校理科教師として勤務。現在は大阪府の公立中学校で理科の楽しさを子どもたちに伝えるため日々奮闘中。 教材や教具、デジタル教材の開発、効果的なICT機器の活用方法、カードゲームや問題解決を通してのコミュニケーション能力の育成など自らの実践に基づいた教育活動を展開中。 ブログのアクセス数は月10万pvを超え、中学理科の授業情報をまとめた書籍「100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100」を明治図書から出版。また、ブログがアプリ化されるなど勢いのある教育研究者 兼 教育実践者。 先生向け情報サイト「ふたばのブログ」の他、反転学習や、家庭学習に利用できるオンライン学習サイト「ふたば塾」、中学理科の授業動画を中心としたYoutubeチャンネル「ふたば塾」を運営。 記事執筆、研修・講演依頼、書籍化についてはお問い合わせフォームからお願いします。 【著書】 100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100[明治図書出版] 授業力&学級経営力2023年12月号(記事執筆)[明治図書出版] 【協力実績】 株式会社 NHKエデュケーショナル 国立科学博物館 株式会社Gakken 日本テレビ「クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?」 株式会社 朝日新聞社 企画事業本部文化事業部 株式会社 高純度化学研究所 株式会社 アスウム 株式会社 学映システム 株式会社リバネス(教育応援VOL55) 株式会社ジヤトコ 富山県教育委員会「とやま科学オリンピック」 東京学芸大学 理科教育学分野 高知大学教育学部附属小学校 横須賀市立浦賀中学校 田尻町立中学校 順不同 Apple Teacher MIE(Microsoft Innovative Educator)