全国学力学習状況調査の結果が公表されました。
文部科学省は25日、小学6年と中学3年の全員を対象に、4月に実施した2015年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を公表した。初の全員参加となった理科の都道府県別平均正答率(公立校)は、抽出で行われた12年度調査の理科と比べ、小中とも下位層の成績が全国平均に近づき、改善傾向が見られた。一方、実験・観察の結果を踏まえた考察や説明の正答率は低く、依然として苦手だった。同時に実施した児童生徒への質問調査で、中学から理科離れの傾向が顕著になっていることも分かった。文科省は「授業改善や教員研修の充実を進めていきたい」としている。14年度調査と比べると、都道府県別成績は国語と算数・数学も下位層の平均正答率と全国平均の差が縮小し、底上げが進んだ。ただ、例年同様に知識の活用力や記述問題の正答率は伸び悩み、課題が残った。児童生徒には教科に対する意識を質問。中3の一部は、小6だった12年度調査で理科を含めた3教科を受けていることから、3年前と回答を比較したところ「教科の勉強が好き」と答えた割合は3教科とも減少。特に理科は81・5%から61・9%と19・6ポイントも減った。都道府県別の平均正答率は、小中の3教科とも秋田、福井、石川、富山が上位となり、固定化の傾向は変わらなかった。14年度調査で小学校の成績が大幅に改善した沖縄は、今回もほぼ同様の結果だった。文科省は各地で学力向上の取り組みが進み、地域間格差が縮まっているとみている。来春の高校入試の内申点評価に学校別成績を活用する大阪は、数学Aの平均正答率が公立校の全国平均と0・1ポイント差に近づくなど、中学校の成績が14年度より向上した。
(共同通信)