今回は金沢にある蓄音機博物館について書いていきます。
金沢蓄音機博物館は、金沢の近江町市場から少し歩いたところにある蓄音機に特化した博物館です。
入場料は大人310円と格安。
蓄音機の聞き比べ実演と自動再演ピアノ実演は時間が決まっているのであらかじめ、調べておいた方がいいです。後で書きますが、特に蓄音機聞き比べは本当に感動します。
全部で3階建て、数時間あれば回ることができます。
こちらが自動再演ピアノ。1927年米国製メイソン&ハムリン・アンピコ。
記録方法はなんと紙!紙ロールに穴を空けたものをセットして、外から空気を送ることで、穴の部分だけ空気が通り、鍵盤が押される仕組みになっているそうです。
ピアノの下は空気を送るチューブが張り巡らされています。演奏中は空気を送る音がいい雰囲気をだしていました。このゴムの部分だけは消耗品なので、取り替えて使っているそうですが、それ以外はすべて昔のままだそうです。昔の人が聞いていた音を今も聞けるなんてとても貴重な経験です。
蓄音機館だけあって、様々な蓄音機が展示されていました。
日本全国からレコードを集めているそうです。カビまみれのレコードを洗浄して展示するそうですが、洗浄には「カビキラー」が一番いいそうです(笑)
音の授業で使えそうな情報もいろいろありました。
こちらはオシロスコープについて学べる展示です。
マイクに向かってしゃべりかけると自分の声が波として表示されます。
今ではCDやデータで音楽データをやり取りしますが、レコードが音を記録する方法は「溝」です。アナログの方が仕組みが気になりますね。
レコードにある小さな溝を針がなぞることで針が振動し、その振動を増幅することで音を出すことができるんです。面白い動画があったので下に載せておきます。
すごいですね。博物館では実際に手動でレコードを回して音を出す体験をすることができます。
蓄音機聞き比べのコーナーでは、レコードの歴史を教えてもらいました。
ビクターのシンボルマークになった蓄音機と犬の置物。アメリカのビクターとイギリスのHMVがレコードの大きな会社だそうです。HMVは、蓄音機から聞こえてくるご主人さまの声(His Master’s Voice)の頭文字。耳を傾けるニッパー君を描いたイラストは、英グラモフォンのトレードマークとして有名になりました。
イギリスのHMVモデル。
凄い量の蓄音機が並べられています。
電気ではなく、ゼンマイで動く蓄音機。蓄音機を初めて聞きましたが、音量の大きさにびっくりしました。家で聞いていたら近所から苦情が出るレベルです。こんな大きな音をゼンマイで出すなんてすごいです。
エジソンは音をロウ管に記録をしていたそうです。
ロウ管は、音は良かったものの、プレス式で簡単に作れるディスク式に比べ、複製をつくるに時間がかかるため、ディスク式に比べ価格が高く、次第にディスクの時代になります。
エジソンは発明家としても有名ですが、パフォーマーとしても優れていたように感じます。エジソンの蓄音機すり替え実験の内容はまるで、スティーブ・ジョブズがiphoneを発表したときのスピーチのようです。音の良さにこだわって採算を無視するところとかも、スティーブジョブズ的ですよね。
こちらの展示ではラッパの形と音が増幅できる仕組みを学べます。また、金属や紙など素材によって音の変化を知ることができます。
ひときわ大きい蓄音機のラッパ。
このラッパ実は、紙でできているんです。実際に音を聞かせてもらいましたが、透き通るようなきれいな音でした。家に欲しい。ソニーの社長から寄贈されたそうです。
他にも面白い展示がたくさんありました。
蓄音機館では、実際にレコードを聴くこともできます。
母親は「懐かしい」なんて言っていましたが、ふたばは「カセット世代」なので、レコードを聴くのは初めて。数あるレコードの中からディズニー映画名作主題歌集めを聞いてみました。小さいころに親しんだクマのプーさんやピーターパンの音楽がレコードになっていたことに驚きました。
面白いと思ったのは、早送りや曲の飛ばし方です。博物館の方にやってもらったのですが、「くまのプーさんを聞きたい」と伝えると「この辺かな?」とディスクの中央部あたりに針を落として見事プーさんの音楽が流れました。めっちゃアナログで感動です(笑)
蓄音機について学べる蓄音機博物館。金沢にお出かけの際はぜひ訪れてみてください。