アメリカの高校生がジャック・アンドレイカさんがWikipediaとGoogle検索をきっかけに医療界に画期的な発見をしました。
ジャック・アンドレイカさんの発見
彼の発見とは、すい臓がんを初期段階で検知する方法です。すい臓がんは発見が難しいがんです。スティーブ・ジョブズ氏もすい臓がんが原因で亡くなられています。
彼は13歳のときに大切な人をすい臓癌で亡くします。
「なぜ彼が亡くならなければならなかったのか?」
疑問を持った彼の行動とは
疑問をもった彼はインターネットですい臓癌について調べます。そこで知ったのが、「すい臓がんの85%が見つかった時には手遅れで、生存率は2%以下」という現実でした。当時の検査方法は60年以上前に開発された古いもので、費用も800万ドルと高額で高い確率でがんが疑われないと、検査が行われませんでした。しかも、その検査ですら30%以上の確率でがんを見落とすという精度の低いものだったのです。
彼はこの現状を打開する方法を探すためにさらにインターネットを駆使します。
彼がGoogleとウィキペディアを駆使してたどり着いたのは、すい臓がんになると検出される8000種類のタンパク質を納めたデータベースでした。彼はこのデータベース上のタンパク質を一つ一つ検証し、ついに、
⚫︎がんの初期段階からすべての患者において血中レベルが高くなる
⚫︎がんである場合のみ変化が見られる
という二つの条件を満たしたタンパク質を突き止めます。
さらに、彼は高校の生物授業で「抗体には一種類の特定のタンパク質にだけ反応するという性質がある。」ということを学びます。
「すい臓癌患者がもつ特有のタンパク質に反応する抗体があればすい臓癌の検査を行えるはず。」
ジョン・ホプキンス大学の神対応
彼はこの研究を進めるため200通のメールを研究機関に送ります。199通は断られましたが、ジョン・ホプキンス大学だけが彼の研究に協力してくれることになりました。研究の場を得た彼は、7ヶ月の試行錯誤ののち、ついに発見法を開発します。
この方法は費用が3セント(3円)、検査時間5分という従来の検査方法と比べると168倍速く、26,000分の1以下の費用ででき、400倍の精度があるものでした。
彼が発見した検査法は、それぞれのタンパク質に適した抗体を用いれば、すい臓がんだけでなく、他のがんやHIVなど様々な疾患の発見にも応用が可能でこれから様々な検査に応用される可能性があります。
彼はTEDのプレゼンテーションで、
「ネットには変顔写真をアップする以外にも使い道があります。そして使い方によっては、世界を変えていけます。」
と伝えました。
ネットイジメやスマホ依存症など、インターネットに関する問題が世間を騒がせています。インターネットは正しく使えば大きな力となります。子どもたちにはインターネットの危険性だけでなく、正しい利用方法についても教えていきたいものです。彼のプレゼンテーションをぜひ多くの
日本の中高生に見てもらいたいです。
ジャック・アンドレイカさんのスピーチ